Understand proper water supply method to prevent dehydration symptoms
水分補給は非常に重要。とくに夏は走行中、体内の水分は汗となってどんどん出ていってしまう。体は汗をかかないと熱中症など危険な状態に陥るので、汗をかき続けなくてはいけない。そのために水分を補給し続けることが大切。
汗とは皮膚から出る水蒸気が結露した状態。自転車で走っているときは、風が当たっているので、汗を感じない(濡れた状態にならない)が、水分は常に体外に放出されている。また、皮膚からだけでなく、呼吸時の水分放出も多い。
人の体は体重の約3%の水が失われると運動能力は著しく低下し、危険な状態となる。具体的な量で考えると、体重が60キロであればおおよそ1~2リットルの水分が失われると危険な状態。
ここまでの水分が失われなくても、水分が不足して血液の濃度が高くなって粘りが増すと、毛細血管中の血液の循環が悪化するなどの状態悪化を引き起こす。体のことを考えると、体内の水分量をなるべく一定に保つのが理想。
水分も補給食と同じく、のどが乾いたから飲むのでは遅い。のどが乾くというのは、水分がかなり不足している証拠。それ以前に口の中が粘ってきたと感じるのは、体内の水分が不足している表れ。脱水症状の始まりで、カラダがダメージを受けはじめている。
水を飲まずに走り続け、休憩したときに一気に水を大量に飲むというのは効果的ではない。水分は胃から吸収されるが、一度に吸収できる量は限られているので、吸収されない水分は尿となって排泄されてしまう。そのため、少量ずつ常に飲み続けるといい。
まず走行前にはコップ1杯ほどの水を飲んでおく。走行中必要な給水量は気温や発汗の具合にもよるが、夏には1時間に500ミリリットル以上の水分が必要。少なくとも20分おきには飲みたい。
飲むものは水でもスポーツドリンクでも良い。水は補充しやすく、体にかけて体を冷やすこともできるし、ケガをしたときに傷口を洗い流すことができる。ただ、水だけでは体内の塩分が不足してくるので、塩タブレットなどで別途塩分を摂ることも忘れないように。
カバヤ食品 塩分チャージタブレッツ
出典 Amazon
スポーツドリンクは発汗と同時に排出された塩分やミネラル、さらには燃焼効率を高める糖分などを補給できる。ただ、大量に飲むことになるので、糖分過多になりやすいので、ロングライド時などはスポーツドリンクを水で薄めておいた方が飲みやすい。
自転車のボトルは、走りながらでも飲めるようにできている。ペットボトルをディパックに入れておくという方法は、水を持たないよりはよいが、飲むためには一旦止まって、ボトルの蓋を開けるという作業が必要で、段々飲むのが面倒になる。
ロードバイク用ボトルは、飲み口を前歯で軽く引っ掛けると、開くようにできている。フレームにセットすれば、走りながら飲める。ロードバイクに最適化されたアイテムなので、利用しない手はない。
また、一部のハイスペックボトルは、 ボトルを左右から強く握っている間だけ蓋が開く機構になっており、口をつけずに水を飲むことができるものがある。価格も若干高いぐらいなので、何度もボトルを使う予定があるのであれば、おすすめしたい。詳しくはボトルは直接口をつけない雑菌が繁殖しづらいタイプがおすすめを参照のこと。
キャメルバック(CAMELBAK) ポディウムチル
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ただ、ロードバイク初心者は乗車中の水補給は難しいもの。バランスを崩し転倒の危険を伴うので、慣れないうちは信号や一旦停止中、運動前や休憩時に補給したい。
専用ボトル | ペットボトル | |
---|---|---|
水を飲む頻度 | 多い | 少ない |
1度に飲む水の量 | 少ない | 多い |
合計の飲む水の量 | 多い | 少ない |
尿の量 | 少ない | 多い |
のどの乾き | 感じにくい | 感じやすい |
ボトルをボトルホルダーから取り出す手間すら惜しいという人には、ハイドレーションシステムを使うのも手。超ロングライドとタイムアタックをする人向け。
ハイドレーションシステムとは、バックパックなどに水のタンクを入れ、ホースを口元にセットするシステム。飲みたいと思った瞬間に少ない動作で手軽に飲むことができる。
ハイドレーションシステムには、専用のバックと専用の水のタンクが必要。「ロードバイクで使うリュックはドイターのレースXがおすすめ」で紹介しているように、ドイター レースXにもハイドレーションシステムを搭載できる。
参考リンク ロードバイクで使うリュックはドイターのレースXがおすすめ
出典 Amazon
Platypus(プラティパス) アウトドア 給水用 ボトル
熱中症対策として水分補給が重要というのは前述したが、水さえ飲んでいれば大丈夫かといえば必ずしもそうではない。
汗を舐めると塩味がすることからわかるように、汗は真水ではなくさまざまな成分が含まれている。その成分は一般に、ミネラルと呼ばれるものでナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。
汗をかくことによって失われるこれらのミネラルだが、人間の体で生成することはできない。つまり汗をかいた量に応じて食事や補給食、スポーツドリンクなどから摂取が必要。
ミネラルが失われた状態が続くと低ナトリウム症によって体調不良になりやすいので注意が必要。水分を補給する際には、カリウムやナトリウムといったミネラル分も摂取する。
ミネラル補給用に粉末タイプのスポーツドリンクを家に常備しておくと使いたいときに使えるので便利。スポーツドリンクを飲む時は推奨されている量の2倍~4倍に薄めると飲みやすい。
ロングライド時は保冷式ボトルにアミノバイタルウォーターの粉を入れて、通常の2倍の量の水で薄めたものと氷を入れておくとミネラルの補給ができるだけでなく、ひんやりとして飲みやすいのでおすすめしたい。
温かい水分はゆっくりと体内に吸収され、冷たい水分は、速やかに体内に吸収される。スポーツ時は速やかな水分補給が必要とされており、吸収されやすいのは4~15度。温かいと吸収されにくく、胃にたまってしまう。特に夏は、先に紹介したような保冷ボトルを用いることを推奨する。
真夏にコンビニなどで水分を購入する際は、ロックアイスも同時に購入し、ボトルにロックアイスを入れて積極的に冷やすという手も効果的。
休憩時にコンビニや自動販売機などで、コーラやサイダーなど炭酸系やレッドブルなどのエナジードリンク系のものを選ぶことはやめておいたほうがいい。
いずれも糖分が高く、一気に体に入れると血糖値が急に上がり、体の動きが緩慢になりがち。また、炭酸によってゲップが出やすくなるので、走行する際の邪魔になる。飲みたい場合は走行後まで我慢したい。
通勤通学や街中でのみ走る場合は、道々に自動販売機やコンビニがあるので、ボトルの水分がなくなっても途中で補給しやすいが、ヒルクライムやロングライドの場合は補給できる自動販売機やコンビニがそこまで多くない場合がある。
特に長距離を走る場合は水分には余裕をもっておく必要がある。一般的なロードバイクのフレームにはボトルケージを取り付ける箇所が2か所あるので、ロングライド時には2つボトルを持っていこう。
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TOPEAK(トピーク) モジュラーケージ2
2つボトルを持っていくときのポイントとしては、片方はスポーツドリンクなどを入れた給水用のボトルにし、もう片方は頭や首などにかけて体を冷やすための水として準備しておくことで、熱中症対策にもなる。
トピークのモジュラーケージは可動式なので、大きいサイズのボトルはもちろん、小さいサイズのボトルや、走行中に購入した350mlのペットボトルでも飛び出さないので様々な場面で使える。
給水用のボトルはさまざまな種類があるが、保冷性の高いキャメルバックのポディウムチルがおすすめ。保冷効果が高く、620ml入るので給水はこの一本だけで事足りることも多く、もう一つのケージに体を冷やすための水を入れておくことができる。
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このボトルは保冷ボトルなので、真夏でも冷たい飲み物を飲めるので体全体の冷却効果が高く、上部に記載のとおり、冷たい飲み物は体へ吸収されやすい。
また、左右から力を加えて水分を出す構造なので、飲み口に触れなくて良いので清潔度が高い。さらに、素材が柔らかいので疲れていても軽い力で水分補給ができる。
なお、もう一つのボトルホルダーには、保冷性を重視しないので、普通のボトルを用いてよい。取り出す際もすぐにどちらか見分けをつけやすいので、同じボトルを購入するとしても、色違いを購入すると良い。
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