Basic knowledge of long rides for beginners
初心者が最初から100kmのロングライドに挑戦するのは、あまりおすすめできない。というのも、もし体力的な問題や、自分で解決できないロードバイクのトラブルに直面した場合、簡単に帰宅することができない。そうならないよう、自分の実力に合った目標を立てることが大切。
そこで、最初のステップとして50kmを完走するところから始める。というのも、20kmならば比較的短いので、基本的な技術がなくても勢いで完走できるケースが多いが、50kmという距離とそれ相応の装備や知識が必要となる。50kmを難なくクリアできるようになってから、100kmを超えるロングライドに挑戦するとよい。
計画の際は、目的地・ルート・休憩場所・時間配分の4つの項目を抑えておきたい。この4つをしっかりと計画すれば快適なロングライドが実現可能だが、どれか一つでも欠けてしまうと、辛いロングライドとなってしまいかねない。
目的地を決める基準は人それぞれ。観光地や湖や峠道などが一般的。目的なしに行き先を決めてもよいが、モチベーションに影響するので、楽しみのある目的地を決めるのがオススメ。
美味しいパン屋があるとか、美しい眺望があるとか、ロングライドの定番コースを踏破したいだとか、興味のあることを中心にするとよいだろう。
目的地が決まったら、自分の実力に合った距離圏内にある場所から目的地を決める。そして、どのルートを通って行くのかを決める。距離が短くても坂が多すぎる場合は、ある程度の体力が必要なので、そのあたりも差し引いて、走りきれるかどうかを確認しておきたい。
基本的にはインターネットを使って、所要時間や走行距離、勾配率などを調べておくことで、心の準備もできる。例えば、自転車ナビタイムはルートや時間だけでなく、標高や消費カロリーの目安も出てくるので、補給食の目処が立てやすい。無料なので、サイクリング前に調べておくこと。
他にも、通行止めになっている箇所もあるかもしれないので、事前に交通状況の確認も怠りなく。
ロングライドは休憩なしで一気に走り切るというのは難しい。複数人で走る場合はスキルも経験も様々なので、休憩場所の確保も大切なポイントとなる。
また、走行経路にトイレがあるかどうかも調べておくこと。サイクリングロードや市街地なら、公衆トイレやコンビニがあるのでさほど心配する必要はないが、田舎に行くときは事前に調べておくと安心。
また、補給食を事前に全て用意してしまうと、装備が重くなってしまいがちなので、途中に補給食を購入できるコンビニや、道の駅などがあるかも調べておくとベスト。
全体の所要時間の確認をすることで、出発時間や帰宅時間の予定を立てる。これにはある程度の経験が必要だが、最初のうちは平均時速15-20km前後を目安とする。休憩時間も忘れずに入れておく。
これらは先程紹介した自転車ナビタイムなど、インターネットを用いることで割と簡単に調べることができる。
100km | 50km |
---|---|
6-8時間を目安に | 3-4時間を目安に |
帰宅時間が日の入りを超えてしまいそうな場合は、ライト(前後とも)を持っておくのを忘れないように。
効率的なペース配分はロングライドの基本。計画や服装、持ち物が完璧だったとしても、100kmの距離を走行するとなると、体力をどのように使っていくかや、ペース配分にも気を使う必要がある。
特に、疲労が溜まり始めると、突然集中力が落ちてしまったりするので、注意が必要。サイクルコンピューターとスマートウォッチをうまく利用して、ペース配分通りに走行できるようにしておく。
特に、走行速度とケイデンスは重要な情報なので、サイクルコンピューターはロングライドには必須とも言える。(GPS機能やナビゲーションはスマートフォンで代用可能)
参考リンク ケイデンスが測れるオススメのサイクルコンピューター
快適で安全なロングライドを実現するには、距離に応じた適切なペースを把握しておくことが大切。以下は50km地点を目的地とした100km走行時のペース配分例。
スタートから20分から30分の間は体を温めるための区間。ゆっくりと走り、その日の調子を確認しながら、身体を温める。
10kmを超える頃から本格的に走行を開始する。走行距離は長いので、ペースを崩さず・速すぎず・遅すぎず走ること。
サイクルコンピューターで走行速度を確認しつつ、いつも通りの速度で走れているかどうか、いつも通りの速度で走って体調的に問題ないかなどを確認しながら進む。
休憩は1時間から1時間30分に1度の頻度で行う。距離にするとおおよそ50kmで2回から3回くらい。単に体を休めるだけでなく、水分やエネルギーの補給も忘れずに。日差しが強い季節は日焼け止めの塗り直しもこのタイミングで。
30km付近は疲労が溜まり始める区間。特に前半飛ばしすぎると後に響く。疲れにくいようギアを軽くして、加速を抑えて走行することを心がける。
50km地点にある目的地に到着後、復路をスタートしたら再度ウォーミングアップ区間を設ける。筋肉にも疲労がたまっているので、飛ばしすぎて足がつるなどのトラブルも起こりがち。
60-80kmは集中力が落ちやすい区間。下りや市街地では思わぬ事故に巻き込まれることもあるので、休憩をとりながら、集中力を保つ。
最後の5-10kmはクールダウン区間。たとえ実感がなくとも、100kmを走行した身体にはかなりの疲労がたまっているはず。ゆっくりと走行し、疲れた筋肉をほぐしていく。
ゴール近くでラストスパートをかけると疲労が次の日に残ってしまいがちだし、集中力も途切れがちで危険なので、気持ちは抑えめで。
補給や休憩をとらないのは危険。補給も休憩も必要な行程と考え、身体のケアをしながら快適に走る。筋肉や心肺機能を休ませるために、定期的に休憩をとる必要がある。
特にロングライドは、エネルギーに気を配る必要がある。人間が身体に蓄えられるエネルギーの量には限りがある。事前に補給地点を調べておき、途中でしっかりと補給をする。
エネルギー切れによるハンガーノックは急に襲ってくるし、山奥で動けなくなると助けを求めることもできづらい。補給ができない箇所を走る場合は、栄養価の高い補給食を複数持っておき、30分に1回を目安に摂取するとよいだろう。
ロードバイクに慣れてくることで走りが上達し、体脂肪で走る能力が上がるほど、エネルギー補給は少なくて済むようになる。しかしながら、どれだけ上級者になっても水分補給だけはしっかりと行う必要がある。
季節よってかなり差があるが、夏場であれば汗をかきやすいため、1時間に500ミリは飲むぐらいと心得ておく。その際、多くの量を気に摂取するのではなく、10分に1回ひと口補給するといった具合に、少量ずつ補給するのがよい。なお、汗が出にくい冬の水分補給量は少なめとなる。
ボトルを使って飲む場合は、走行中でも飲むことができるが、長距離走って集中力が切れている時は、走行中にふらつく原因となり危険なことも。集中力が切れているときには、休憩だと割り切って、停止してから飲むほうが安全。
ボトルを左右から押すだけで水が出てくるボトルもあり、口で蓋を開けて飲むタイプのボトルに比べて飲みやすく、衛生的にも優れているので、そのようなボトルを選びたい。
参考リンク ボトルは直接口をつけない雑菌が繁殖しづらいタイプがおすすめ
疲労した筋肉をほぐすため、休憩時には筋肉疲労を和らげるためのストレッチを行うと、その後の走りが楽になる。
短時間であれば不要だが、長時間乗車するロングライド時にはこのような細やかなケアも大切。ロードバイクを利用したストレッチの例も紹介する。いずれもやりすぎてロードバイクを倒さないように注意。
補給食を摂取することでエネルギーが補給される。100kmを走るとなると、体内に蓄積されたエネルギーだけでは足りないため、途中で補給食を摂取してしっかり補給する。
補給食は固形タイプ、ゼリー状のものなど好みに合ったものでいい。ゼリー状の補給食は高カロリーでエネルギーの吸収が早い。アミノ酸入りのものは、筋肉疲労の回復に効果があるので、できるだけ摂取したい。
あと、ゼリー状の補給食だけだと飽きてしまうため、カロリーメイトのような固形タイプのものもあると良い。
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