Binding pedal practice method for beginners
ロードバイク初心者にとってビンディングペダルは足をペダルに固定するので、万が一の時に足が思うように外せず怖いと思いがちだが、しっかりと練習すればいざという時でも対応しやすい。きちんとした方法を学んでおけば、ビンディングペダル初体験でも30分も練習すれば、徐々に慣れて使いこなせるようになる。
ビンディングペダルにおいて最初の関門となるのがペダルにシューズを固定すること。これは練習して慣れるしかないが、そのコツを知っておくと上達しやすくなる。
利き足とはペダルをこぐときに最初に踏み出す足のことだが、その足から練習する。
練習せずに乗るといつまでもビンディングペダルに固定できずにロードバイクがふらついて安定せず、周囲への注意も散漫になり危険。何度もつけたり外したりする練習を行い、ペダルを見なくても確実にはめられるようにすること。
初心者は止まった状態で何度もつけ外し練習して外れる感覚を身につけること。外すときにはメリハリをつけて一気に外すことが大切だ。脚全体を使い、ペダルの中心を意識しながらカカトを外側にスライドさせるようにすると外しやすい。慣れてきたら安全な場所で走りながらバイクを安定させつつ着脱できるように練習する。
この練習は左右の足でできるようになるまで行うこと。左右同じように外せるよう練習しておくことで、危険回避など、とっさのときに安全に足を着くことができる。
ビンディングペダルを装着できることも大切だが、どのような状態でも確実に外せるようになることが最も大切。ビンディングペダルはいざというときに外せなくて転ぶことがあるが、この練習を行い確実な動作を体に覚えさせることで、いざという時に焦らずに外せるようになり、転倒のリスクを減らすことができる。
信号を目前にして止まろうとした時に外れない原因は、しっかりとペダルを踏んだ状態で足をひねっていなかったり、疲れで頭が考えるよりもひねれていなかったりすることに起因することが多い。
また、足をペダルと水平にひねることができていないと、ペダルが外せないばかりかロードバイクがふらついてしまい危険。ビンディングは進行方向に動いている足に、外側にひねるという通常行わない動きを加えて外す仕組みなので、水平にひねらないと外すための力が逃げてしまって外れない。
ビンディングペダルを使うには、専用の靴にクリートと呼ばれるシューズとペダルを連結する金属製かプラスチック製のパーツを装着する。詳しくは「ビンディングの設定方法」で紹介しているので参考に。
ペダルによって装着時のクリック感が異なるので、自分のペダルがどのような感じなのかを事前に知っておくといい。
SPD | SPD-SL |
---|---|
SPDペダルのビンディングは明確なクリック感がない。とくにシューズがゴム底のSPDの場合は、クリートがペダルに入ってちょっとした感触がした後、小さなクリック感が足に使わってくる。 | SPDにくらべSPD-SLのクリック感は明確。入ったか入ってないかは、足の感覚でも耳でも判断できる。ステップインできたときには、「カチッ」とか「パチン」という音が、周囲に聞こえるくらいの大きさで響く。 |
まずは停止したままペダルの固定練習を行う。
停止したまま練習する場合は、クランクの位置を真下よりもやや上、時計の3時から4時のあたりに位置させてから練習する。ペダルは前後に傾けず水平にしておく。
クランクとペダルの位置を定めたら、シューズ裏で場所を探りながら引っかけるイメージでシューズ裏のクリートの先端をペダルに差し込む。
ペダルがクリートをつかむ構造なので、最初はしっかりはめ込むよう意識してカカトを上げて、クリートと先端がペダル前側の爪にかかるよう脚をスライドさせる。正しく爪を捉えられるよう、足首は固定してまっすぐに入れる。
クリートがツメをとらえたら、足の重みでクリート本体をペダルに乗せるように滑らせていく。
クリートがペダルに収まったら、カカトに体重をかけてペダルを踏むように力を入れるとシューズがしっかりペダルへ固定される。クリート全体を上から押し込むような感覚。
基本的には効き足から練習を行うが、練習を繰り返して効き足で装着することに慣れてきたら、今度は逆の足からでも装着できるように練習しよう。左右どちらからでもはめられるようになると様々な場面で対応できるようになる。
できれば、クランクが上向きのときでもスムーズにはめられるようになればさらによい。効き足で踏み込んだ後、上死点にきた逆ペダルをスムーズにキャッチできればすばやく踏み出せるので、加速しやすくなる。
クリートをペダルから外すことを「リリース」という。一度外す方法を知れば、簡単に外せる。(安全に外せるとは別だが)
外すときには、クリートを軸にしてカカトを外側にひねると、簡単に外れる。ひねる際は躊躇せず一気に足を外側にひねること。中途半端にひねって力が入らないと外れない。外す際のペダルの位置は、ペダルが下にあるときのほうが外しやすい。
外れないときはカカトを戻して、また勢いよくグッとカカトをひねって外す。ゆっくり力を入れてもはずれない。
クリートの種類によっては内側にひねったり、斜めにひねったりしても外れるものもあるが、練習中は外側に水平にひねる動作に注力しよう。
信号などで停止するときは、左側にある歩道の縁石などに足をついて停まることが多いので、左足のビンディングを先に外すといい。
慣れないうちは体に覚え込ますためにも、縁石などがなくても左足を道路につけて停止する癖をつけるとよい。既に右足を先に道路につける癖ができている場合は無理して戻す必要はない。
シューズの靴紐(留め具)がゆるかったり、きちんと履いていないと外向きの力が逃げてしまい外れないこともある。シューズを履いて靴紐(留め具)を締める前にカカト部分で2~3度床を軽く叩き、足をしっかり入れること。その後、靴紐(留め具)をしっかりと締めること。
ある程度付け外しができるようになったら、停止してから走り出すことを想定した練習を行う。一時停止時は両方のビンディングを外すことはないので、右足のビンディングは装着したまま(左足で着脱)以下の練習を行う。
走り出しは右足で踏み込んでスタートする。こぎ出した推進力で安定させながら右ペダルがクランクの下位置でバランスをとる。左ペダルは上点に来る直前の10-11時位置で固定する。速度を出しながらは危険なので、軽くブレーキをかけてスピードを調整しながら行う。
固定できたら一気に左足を踏みこみペダルをはめる。この動作をスムーズに足もとを見ないでできるようになればベスト。憤れないうちは安全を優先して、確実にキャッチできるようゆっくりとこの動作を行うこと。
なかなか固定できないときはペダルを見てしまいがちなのだが、ペダルを見ると前方確認ができなかったり、ロードバイク自体がふらついてしまったりするので非常に危険。
はまらないときは無理してはめようとせずに、ペダルの上に軽く足を乗せてバランスをとることに注力する。クリートが固定されていない状態で強く踏んでしまうと、クリートがペダルの上で滑りバランスをくずして転倒するの恐れがある。ペダルの上にのせて、もう片方の力でペダルを回す。ロードバイクが安定してから装着するようにしよう。
次は走りながら外す練習。まずは安全に止まれるように速度を落とし、外す足(左足)のクランクを下側にして外す準備をする。準備が整ったら、クリート中心を軸にカカトを外側にひねって左足を外す。
足を外したらそのまま身体を前に乗り出し、左足で着地の準備をする。右足でバランスをとりながら、ほぼ完全停車できるくらいにまで減速していくのがポイント。
停止の際は、尻をサドルから離して身体全体をサドル前方に身体を移動してトップチューブ側に降りる。このとき、ハンドルに体重をかけ過ぎると、前輪が段差や石に乗ったときに転倒しやすい。進行方向にも注意。またSPD-SLは特に滑りやすく、濡れた路面やマンホールやペイントされている部分はグリップが効きにくいので特に気をつけること。
重いギアでの発進は足への負担が大きいので、停車前にギアを軽くしておくとこぎ出しが楽になる。
ビンディングペダルで注意しなければならないのは、ロードバイクを停止するときである。停止する際に靴が外れないと、停止したまま横に倒れてしまう。いわゆる「立ちゴケ」だ。また、ブレーキをかけて自転車がポイント停止してから靴を外そうとしてもまず間に合わない。
車が走っていないところで、足を外せるように十分に練習してから、公道を走るようにしよう。
走っているとき、信号待ちになるとわかったときや前を走っている自転車が減速したときは、すぐに左足をはずして、惰性でロードバイクを進めて停車に備える。早めに外しておけば余裕も生まれるので安全。急停止することにんあり慌てて外そうとすると、外れにくくなり立ちゴケの危険性も増える。
ビンディングの固定力が強すぎて外しにくい場合は、バネの強さを緩めるとよい。ビンディングペダルの調整ボルトをアーレンキーで左方向に少し回してみる。一気に回さないで、1/4回転ずつ回しクリートをはめるという調整を繰り返せば、ちょうどよいポイントが見つかるはず。
ビンディングペダルとシューズは足の裏の拇指球と小指球の間を目安に固定するのが基本。背伸びをするときに力がかかる部分でペダルを踏むような感覚。詳しくは「ビンディングの設定方法」を参考に。
SPD-SRタイプのクリートは、SPDタイプのクリートに比べて泥が詰まりやすい。泥が詰まってしまうと、ペダルがキャッチしなくなったり、走っていてペダルとシューズが外れたりすることもあり危険。クリートが削れることを抑えるためや、泥づまりを抑えるためにも、クリートカバーを使うといい。
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