Commuting to work by road bike
自転車で自宅から職場まで走る人が増えてきた。多忙な現代人が無理なく運動が続けられるスポーツのなかでは、毎日必要な通勤時間を運動の時間に変える自転車通勤に勝るものはないといえる。ここでは自転車通勤のノウハウについて紹介する。
近年自転車通勤をする人が増えている。特に都会では満員電車に乗る必要がないし、駅まで歩く必要もない、さらに電車やバスの乗り換え時間がない、渋滞に巻き込まれることもないなど通勤のストレスを解決する手段の一つになっている。
また、毎日の通勤手段を電車から自転車に変えることで交通費もかからない。さらに運動を伴うので日ごろの運動不足が解消されたり、ダイエットになったりと、さまざまなメリットがある。
自転車通勤には、自宅から会社へ自転車で直行するやり方と、途中の駅まで電車を使って輪行する(もしくは途中の駅まで自走し、駅から輪行する)やり方がある。
どちらのやり方でも、無理なく走れる距離を走るようにすることが肝心だ。ちなみに、家から会社まで遠くても、最初は輪行前提で自転車通勤を始め、だんだんと距離を伸ばして、会社まで自転車で行くようになるという手もある。
とはいえ仕事の前後に走るのだから、1時間程度で走れる20kmくらいまでが適した距離といえる。家が遠い場合は、家から途中の駅まで自転車で走ればいいだろう。毎日自転車で通う必要もない。週に1~2回からはじめ、無理がなかったら日数を増やしていけばいい。
自転車通勤を行う際に数点気をつけたいことがある。
健康増進やエコロジーの立場から、自転車通勤を奨励する企業もある。ただし、就業規則、労災保険等との関係もあるので、自転車通勤する場合は会社に相談したほうがよい。
自転車通勤による交通事故を心配する家族や上司がいてもおかしくはない。社内規定で自転車通勤を禁止している会社もあるかもしれない。社内規定で問題なく職場の理解が得られるのであれば、ぜひとも自転車通勤に挑戦したい。
勤務中は長時間自転車の傍から離れることになるのでどこかに駐輪することになる。路上にそのまま駐輪するのは盗難の面やマナーの面でNG。きちんとした駐輪場に駐輪したい。
できれば駐輪箇所は直射日光があたらず雨風にさらされない屋根付きの駐輪場に駐輪したい。自転車の一番の敵は水分。とくにチェーンは錆びやすいので、オイルやグリスで守っておきたい。雨にさらされやすい場合は水に強いウェットタイプのオイルを使うといい。
直射日光も非常に長時間(年レベル)当たり続けるとフレームの色落ちやタイヤの劣化につながるので、可能な限り直射日光は避けたい。
ロードバイクは高価なので盗難の可能性も高い。会社の中に自転車を置けるならよいが、外の駐輪場などに置く場合でも、目立つところに置くのは避けたい。駐輪する人以外の人から見えない場所に保管したい。また、地球ロックは必須。
ロードバイクは軽くて持ち運びが容易なうえに、車輪の固定がクイックレリーズで行われているので、レバーを立てるだけで簡単に車輪を外せる。それが盗難を簡単なものにしている。錠は車輪に通すだけでなく、車体と車輪、車体と柵などとも結ぶなど、地球ロック・2つ以上の施錠は行っておきたい。
あと、有料の駐輪場で自分の駐輪箇所が決まっている場合は、錠をその場所に置きっぱなしにしておくこともできる(駐輪場管理者に要確認)。頑丈な鍵はその分重くて大きいことが多いのだが、その場においておくことができるのであれば頑丈な鍵を駐輪場で使えるので盗難防止に非常に効果的。もちろん駐輪禁止エリアに停めるのは厳禁。
交通事故を起こしてしまっては仕事にも行けないし、何より生命の危機まである。自分でいくら注意しても相手側の不注意によって事故に巻き込まれることもある。そうならないようにいくつかのポイントを抑えておきたい。
まず自転車が走りやすい道を探すこと。車通りが少なく、突然横から車が出てこない道路がベスト。具体的に言えば、川沿いや線路沿いなどがそれに当てはまる。
次に自分以外の人に自分の存在を知ってもらうことも大切。普通の歩行時と違い移動速度も速いので、フロントライトは明るいものを使ったり、後方には反射板ではなくリアライトを用いたりするなど、暗くてもはっきりと認識してもらえるようにしたい。
他にもウェアは蛍光色のウェアや反射素材のついているものを選べばドライバーが認識してくれる割合が高くなる。
自分が注意することももちろん大切。周囲に目を配り、前や横の車が左折する可能性について常に考え、左から出てくる車や対向する右折車や信号、歩行者、電柱等々に注意を配る。
ロードバイクはスピードが出るため、基本的に車道を走ることになる。信号や一旦停止など道路交通法を遵守するのはもちろん、いくら速度が出るからといって全力で走るのではなく、危険性が少しでもある場所ではある程度抑えた走りを行うこと。
車との接触や転倒で一番怖いのが頭を強く打ってしまうこと。打ち所が悪ければ命の危険にさらされてしまう。そのためヘルメットも常に着用する。くわしくはヘルメットの選び方とおすすめヘルメットにて紹介している。
労災が適用されるのは、自転車を合理的な通勤手段と会社が認めている場合。ただし、治療費や休業補償だけの場合もある。自転車通勤を禁止している会社では、労災はおりない。
一番に気をつけたいのは、相手が存在する事故の場合。大きな怪我をさせた場合、相手への補償が高額になる傾向にあるので、自転車保険には必ず入っておきたい。詳しくはロードバイクには自転車保険が必須な4つの理由にて紹介しているので、参考に。
雨天で自転車通勤する場合は雨対策に加えて、路面からの泥の跳ね上げを防ぐために泥よけも必要。泥除けは晴れているときには全く必要ないので、着脱式の泥除けを備えておくといい。
レインウェアについては他の人から認識されやすいよう、目立つ色のものを着用するといい。
注意することとしては、雨の日はブレーキの性能が落ちることを念頭に置いておくこと。走行スピードは平日の60-70%ぐらいに抑え、いつも以上に注意して走ること。
目に降りかかる雨は前を見にくくするので、ひさしのついたヘルメットか帽子をヘルメットの下に着用するとよい。
それでも雨の夜は、車側からは自転車に乗っている人はほとんど見えないと思ってよい。その場合は自転車に乗らず交通機関を使って帰宅して、次の日に乗って帰ること。
雨や汗に濡れた場合は、体が冷えないうちに素早く汗を処理しよう。汗の場合は使い捨ての体拭き取りシートを用いると、汗を拭くのと体を清潔にすることの2つを同時に行えるので便利。
雨に備えて、会社には1枚タオルを置いておくといい。できれば自転車通勤をするのであれば通勤時は自転車用ウェアを用いて、会社についたら着替えることをおすすめしたい。
一番処理に困るのは雨に濡れた靴だ。自転車用シューズやスニーカーの多くは人工皮革で出来ているので扱いは楽。多くの靴でインナーソールが取り出せるので、取り出して乾かし、靴には乾いた新聞紙を詰め込むことで、次の日には完全に乾いた状態にはならないが不快でないレベルで履けるようになる。
ルートは、混雑する幹線道路より、遠まわりになったとしても、交通量の少ない安全なコースを選んだほうがいい。前もってコースを調べ、実際に走ってみて、どのくらい時間がかかるかを調べておこう。休日と平日では、道路の込み具合は大きく違うことがある。注意しよう。
自転車通勤でかいた汗をどう処理するかも悩むところだ。会社にシャワーがあり、着替えを置いておけるのならば問題はない。しかしそのような会社は例外的といっていい。スーツなどに着替える前に汗を拭きたいが、このとき、タオルよりも制汗シートなどを使うとよい。
制汗シートはベタつきや臭いも拭き取れ、ドライパウダーつきのものもある。特に夏場はありがたい。
出典 Amazon
服装もさまざまだが、基本的にはサイクルジャージを着用し、会社でスーツなどに着替えるという人が多いようだ。もちろん、スーツで自転車通勤をする人もいるが、ズボンのすそがチェーンリングに当たって汚れたり、夏は汗をかいたりするので、それなりの対策が必要だ。
スーツで自転車通勤をする場合は、ズボンのすそをまとめないと、特に右足のすそはチェーンリングのチェーンに触れて油汚れがついてしまう。長めの靴下にズボンのすそを入れてしまうという手もあるが、見た目があまりよくない。ズボンのすそを留めるための専用のバンドが市販されているので、それを使うとよい。
スーツなどで走る方法もあるが、スーツでのライドは季節によっては汗が心配だし、裾汚れが問題だし非現実的。着替えをリュックに入れてスポーツウェアで通勤し、到着後に着替えるほうが快適だし、汗くささも気にならない。
おすすめは、やはり専用のウェア。ロードバイクウェアの選び方で紹介しているので、参考に。
会社で着替えられない場合や、ワイシャツを着る必要があるのであれば、吸汗速乾性の高いアンダーウェアがおすすめ。例えばモンベルであればジオラインやスーパーメリノウールなど。
これをインナーに着込むだけで汗が素早く乾き、休憩中の汗冷えを防ぐことができる。さらに乾いたあとも臭いにくい。そのため、帰りにもう一度着るのも不快ではない。
着替えを運ぶにはリュックが便利。ロードバイクは前カゴはないし、ハンドルに荷物を引っ掛けると非常に危険。さらに前傾姿勢をとるため、普通のリュックだと背中が蒸れて不快。スポーツ自転車専用のリュックが存在するのでそれを用いるといい。おすすめはドイターのレースX。背中が蒸れにくく、自転車で使用するのに適した構造になっている。詳しくは、以下のリンクを参照のこと。
参考リンク ロードバイクで使うリュックはドイターのレースXがおすすめ
自転車通勤の場合、帰り道は夕方から夜になる場合が多いので、ライトやリフレクターは必須。ライトは使用する場面によって必要な明るさが異なる。最適な明るさのライトを選ぶこと。朝でもトンネルを使う場合は、後ろの車からの視認性をよくするために、リフレクターをつけるようにしよう。
雨の日は傘をさせないので、携帯用レインウェアを準備しておく。
参考リンク ゴアテックス素材を使った高コスパモデルレインウェアの「ストームクルーザー」の紹介
仕事の道具や着替え携帯工具など、何かと荷物があるのが自転車通勤の特徴だ。荷物の量に合わせて、適当なバッグを利用する。
自転車通勤は、サイクリングとはちょっと趣きが異なる。それは、あくまで目的が通勤にあることだ。つまり目的地に着いたらそこで終わりではなく、その後そこで仕事をしなければならない。そのため、時間内に到着することと、着いた後に快適に仕事ができることが重要であり、携行品もそのために必要なものが増える。
まず、通常のサイクリングと同じように、メンテナンス道具は必携だ。パンクして走れなくなり、遅刻することがないように、予備のチューブと携帯ポンプは必需品。
ただ、都会で通勤する場合、通勤経路に自転車店が複数ある場合は、それらを頼る前提でメンテナンス用品を携行しないという手もある。
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