Recommended high-function rainwear to road bike
以前のレインウェアは雨で身体を濡らさないために羽織るだけのもであった。そのため、雨は防げても体を動かすことによる熱や汗をレインウェアの外に発散させることができていなかった。しかし、現在はサイクルウェアと同様に素材やフィット感が進化を続け、多機能なモデルが増えている。
高機能レインウェアは雨の日でも快適に走れる工夫が随所にみられる製品ばかり。雨の日でも水の浸透を防ぎ、身体を冷やさず、さらに蒸れにくい。このような複雑な条件を満たしているだけでなく、ペダリング時の脚の突っ張りや、気になる風の影響も極力抑えられている設計になっている。
高機能レインウェアの特徴
高機能レインウェアは防風性が高いだけでなく、蒸れにくい素材を使用しているため、寒くなってきたら雨が降っていなくとも、普段のウインドブレーカー代わりに着ることも可能。特に、荷物をできるだけ持ちたくないロードバイクにおいて、ウインドブレーカーとレインウェアの2つを持ち運ぶより1つだけのレインウェアを持ち運んだほうがメリットが大きい。
一点注意事項としては高機能レインウェアをいえども肌触りや柔らかさ、軽さはウインドブレーカーのほうが優れていることが多いし、多少の耐水性はあるので、ウインドブレーカーが不要ということではない。
レインウェア | ウインドブレーカー | |
---|---|---|
耐水性 | ◎ | ○ |
透湿度 | ◎ | △ |
重量 | △ | ◎ |
肌触り | ○ | ◎ |
運動のしやすさ | ○ | ◎ |
雨が降ったら普通のレインコートでいいと思う人もいるかもしれない。しかし、雨天時は路面が濡れていたり前方が見えにくかったりと事故が起こりやすい要因が多く、ロードバイクに乗っていると非常に雨に気を使ってしまう。
さらに、市販のレインコートは普通の自転車ならまだしもロードバイクに乗ることを想定して作られていないため、前傾姿勢では前が見えにくかったり、裾がチェーンに巻き込まれたり非常に危険。
もう一つ、体から発する熱や蒸れ対策が必要なこと。ロードバイクは運動強度が高いため走行してしばらくするとすぐに体が温まってくる。通常時では特に問題ないが、普通のレインコートは雨は防げても熱や汗を外に出す機能はついていない。
そのため、外からの雨で体が濡れなくても、自分のかいた汗で体を濡らしてしまう。こうなると、レインコートの意味をなさない。また、これが冬なら体が濡れることによって体を冷やしてしまうので体にもよくない。安全に、快適にロードバイクを楽しむために、雨を防ぎ、蒸れにくい高機能なレインウェアを選ぶということはとても大切なのである。
高機能レインウェアはそれなりに高価。ロードバイク乗車時に使うことはもちろん、それ以外のシーンで使うことも視野に入れておこう。各社デザインに力を入れているため、ちょっと寒い日の街着であったり、野外フェスであったり、キャンプであったりと様々な場面で役に立てられる。
レインウェアは大きくわけて2種類。上半身の雨を防ぐレインジャケットと、下半身の雨を防ぐレインパンツ。基本は上下セット、またはレインジャケットのみを着用する。これらのレインウェアは具体的に何を基準に選べばいいのかを紹介する。
いずれのアイテムも重要なのは耐水圧と通気性、それから動作性だ。耐水圧と通気性については数値化されているので、それを参考にするといい。雨の日でも快適に走れるものは当然のことで、着ていて楽しいものを選ぼう。
「耐水圧」とは、生地にしみこもうとする水の力を抑える性能の数値を表すもの。平坦にいえばレインウェアの生地が、どれくらいの水圧に対して耐えられる防水性を持っているかを表す。数値が大きければ大きいほど強い水圧に耐えることができる。
耐水性 | 対応可能な雨の強さ |
---|---|
20,000mm | 嵐 |
10,000mm | 大雨 |
2,000mm | 中雨 |
300mm | 小雨 |
一般的にレインウェアを選ぶ目安として、小雨や小雪を凌ぐ程度であれば5,000mm、スキーやゴルフは雨、雪にさらされるので最低10,000mm以上、登山などは命にかかわるので最低でも20,000mm以上が必要。もちろん、記載の数値は初期の耐水圧なので、繰り返しの洗濯や使用時の摩擦によって機能は少しずつ低下する。
ではロードバイクに必要な耐水性についてだが、突然のゲリラ豪雨に遭遇したり、サドルやレインウェアが擦れてしまったりする運動のため部分によっては耐水性が落ちる箇所もあるので、5000あれば大丈夫というわけではない。
「透湿度」とは、レインウェアに使われている生地が24時間でどれぐらい水分を透過したかを示した数値。簡単に言うと通気性のこと。この数値が大きければ大きいほど通気性が良く蒸れにくい。
ここでいう水分とは、レインウェア内の蒸気状態の汗を指す。例えば、透湿度20,000であれば、1日で生地1㎡あたり、20,000gの水蒸気の汗を透過する能力があるということになる。
状況 | 一時間あたりの発汗量 |
---|---|
大人安静時 | 約50g |
軽い運動 | 約500g |
ランニング等の運動 | 約1,000g |
透湿度は最低でも5,000g以上、できれば8,000g以上ないとロードバイクには使えない。さらに快適に走ろうと思えば最低でも10,000g以上、できれば20,000g以上の透湿度が必要。もちろんこの数値は初期の透湿度なので、繰り返しの洗濯や使用時の摩擦によって機能は少しずつ低下していく。
ロードバイク用のレインウェアにはフードがついていないものもあるが、やはりフード付きが便利。フードの上からヘルメットをかぶるという方法もあるが、あごひも部分の関係上、一部フードの意味をなさない箇所が出てくるので、ヘルメットをかぶったままフードをかぶれるウェアがおすすめ。
もちろん、単にヘルメットを覆えるだけでなく、視界がクリアであることが重要。フードの深さを調整できる機能つきのものや、頭部にフィットする絞りがついたものもある。
レインウェアは突然の雨に対応するためにも、常時持ち運びすることになる。そのため重量はできるだけ軽いほうがいい。しかしながら、布地が薄くて軽いというものよりは、薄いのに丈夫で軽いものを選ぶ。
ロードバイクは体の様々な部分を動かすが、重要なのが肩まわりとヒジ。このあたりの可動域が狭い場合はロードバイクを操作しづらい。ストレッチ素材採用でハンドルを握ったときに肩まわりがつっぱらないものや、立体裁断でヒジが曲げやすくなっていると操作しやすい。
安全に走るには自分の存在を車や歩行者などに認識させることが大切。ただ、雨の日は基本的に薄暗かったり、雨で遠方が見えづらかったりする場合もある。そのため、自分の存在をアピールするためには目立つ色使いのものがおすすめ。とくに、赤や黄色は街中にはそう多くない色なので目立ちやすい。
そう目立たない色のレインウェアを選ぶのであれば反射素材のついているものを選ぶ。
ロードバイクで最も動かす部分が膝であり、その可動範囲は大きい。そのため、伸縮性が高い素材や立体裁断が施されたものが必須。自転車や登山などのスポーツ向きのレインパンツであれば問題ないが、普通のレインパンツはこの部分が動かしにくいためペダルを回しにくく不便。
一般的なレインパンツには歩行を想定しているので前部分にファスナーがついているが、ロードバイクは前傾姿勢をとるので腹部を圧迫して不快感のもとに。ロードバイクのレインパンツはファスナーがついていないものを選ぶといい。
忘れがちなのが裾のチェーンリング巻き込み。レインパンツが巻き込まれてしまうとすぐに破れてしまうので注意が必要。そのため、レインパンツにはフラップ付きのものを選ぶ。フラップつきの多くはシューズを履いたまま着脱できるので便利。
夏は暑く蒸れやすくもある一方、寒さ対策を行う必要がない。そのため、足先までのレインパンツではなく、7分丈のレインパンツを使用するという方法も。
レインウェアの防水性能は常に高いままではなく、汗や汚れが付着し他状態が続くと防水性能は低下する。使用後はこまめに洗濯をして高い性能を保つようにする。
レインウェアは帰宅後すぐに風通しのよいところで陰干しして乾燥させる。翌朝にはかなり乾いているはず。
最低でもこれぐらいはやっておかないとレインウェアの機能が低下したり変なにおいを発生したりといいことがない。また、泥水などをかぶって汚れている場合は一度シャワーなどで泥を落としてから乾燥させること。汚れをそのままにしておくのもレインウェアの機能を落とす原因となる。
レインウェアには路面から跳ねてきた泥などはもちろん、体から出てくる汗も付着しているのでたまには洗濯が必要。普通のウェアと同じく使用したら洗うという認識でいい。使用している素材にもよるが、高機能レインウェアであればほとんどが手洗いが可能。
ゴアテックスの洗濯の最も簡単な方法はぬるま湯で手洗いすること。普通の洗濯洗剤を使うのではなく、専用の洗剤が必要だが、日々の洗濯であれば洗剤がなくてもいい。
濡れたまま長時間放置することはゴアテックスの性能を落としてしまうので、手洗いして汚れを取ったらすぐに乾燥機に入れて30分程乾燥させる。アイロンを掛けてもいいが、アイロンを掛けてはいけない部分もあるので注意したい。乾燥機に関してもウェアごとに行っていいかどうかは異なるので、このあたりは洗濯タグを参照のこと。
また、ゴアテックス素材のものは年に1回防水布用洗剤であるニクワックスを使う。洗濯後には撥水剤を使ってつけ置き洗いを行えば、ゴアテックスの防水機能が復活するので毎年行っておこう。
高機能レインウェアは防水性が高いとはいえ、長い間使用していると生地と生地が擦れて薄くなったり、何かにひっかけて穴が開いてしまったり、縫製部分から浸水するようになってしまう。これはゴアテックス用の補修キットで対処する。
とくに股間部分は水が染みやすくなる。乗り降りが多いのが原因。そのため、劣化の激しいレインパンツはゴアテックスでない素材のものを選ぶという方法もある。
ゴアテックスファブリクス補修用リペアシート 参考価格:540円
レインウェアのポイントはレースやイベント、通勤など目的に合っているかが重要。とくに悪天候時に快適に走るための汗は逃がし、雨を防ぐ防水透湿性や、使い勝手もしっかり確認しておきたい。
コンビニなどで購入できるレインコート。1回だけ雨を防ぐためだけの使用に関してはいいのだが、ロードバイクに適しているかといえば全く向いていない。というのも、素材がビニール製なので蒸れやすく冬であれば自分の汗で体を濡らしてしまう。また、運動することを前提に作られていないので、動きにくい。
とはいえ、突然の大雨の場合は様々な場所で手に入れることができるこれらの簡易レインコートに頼らざるを得ない。着用の際はそのまま着るのではなく、袖や裾を折って適切なサイズにしたり、レインコートのズボンの中に上着を入れて走れば、最低限の役割は果たしてくれる。
柔らかい手触りでお尻まで包み込める丈夫な生地が魅力のレース用レインウェア。半透明素材なのは、イベントやレースなどでゼッケンを着用した際に透けて見えるようにするため。もちろん通常時のレインウェアとして使用しても機能性が高いので十分に活躍できる。
ポケットなどの収納部はないが、畳めばサイクルウェアの後ポケットにコンパクトに収まるので携帯性にとても優れている。もちろん、ボトルホルダーにも入れることができる。ポケットに畳んで入れておけば、ロングライド時の急な天候の変化にもすぐに対応が可能。
ロードバイクのレインウェアは基本的に空気抵抗をできるだけ抑えるために細めに作られているが、このレインジャケットは自転車用レインウェアとしては少しゆとりのある作りになっているのが特徴。
ぴったりフィットしたウェアとは違って少し大きめのサイズは本気感が少ないため、ゆったりとしたロングライドや日々の自転車通勤にもぴったり。カジュアルな作りになっているのでロードバイクで使用しない際も、日常のレインウェアとして使えるの魅力的。
重量は高機能レインウェアとしてはそこまで軽量ではないが、ゴアテックス素材なので肌寒い時にはウインドブレーカーとして使用できるので汎用性が高い点もポイント。
超軽量・コンパクト性を達成した自転車向けのレインウェア。サイクルジャージなどの背面ポケットに入る収納サイズなので、雨が降りそうなロングライド時にはこのレインウェアを背中に常時携行しておけば突然の雨にも対応可能。
生地には防水性と透湿性の優れたゴアテックス素材を使用しているので、嵐であったとしても水分がしみ込んでくることがない。シルエットは背中部分が長く作られており、ロードバイク特有の前傾姿勢でも対応できるようになっている。
他にも、走行中でも片手で開閉しやすい斜め式のフロントファスナーや、取り外しができるフード、ウェア内の蒸れを防ぐ脇部分のベンチレーションなど、雨天時だけでなく寒い日のウインドブレーカーとしても使用するのに便利な機能が搭載されているのはうれしい。
日本のメーカーということもあり、サイズ展開は日本人に適したサイズ帯も豊富な点も魅力。色さえ気にならならなければこれさえ買っておけば間違いはない逸品。
レインウェア独特のごわつきが一切なく、しなやかなで軽い着心地を誇る5分丈のストレッチ・レインジャケット。完全防水ではないものの、かなり強力な溌水性能を持っている。通常のレインジャケットと比較して着用時のストレスと空気抵抗が少ないので、雨天のレースでプロの選手の着用率が高いアイテム。軽量で、携帯性に優れていることも特徴。
ウェアの色が多少透けて見える半透明で若干の透湿性もある防水生地を採用したレインジャケット。生地は伸縮性が高くよく伸びる。素材の軽さと柔らかさそがとくに際立つ逸品。コンパクトで軽量なので、天候に不安がある際は片手でさっと丸めてもバックポケットにきれいに収まるサイズになるので突然の雨にも対応できる。生地が薄いので実際に雨は浸透していなくてもつめたさを感じることがあるが、バタつきが気にならなずライドに集中できる。
不快感をできるだけ減らすための工夫が至る所にちりばめられており、内側の表面加工により、汗をかいても肌にまとわりつきにくく、濡れた状態でも不快感が少ないのも特徴。背中側は前傾時でもお尻付近までカバーできるようにロングテール仕様。さらに、脇から袖口近くまで通気のためのメッシュ生地を縫製し蒸れを軽減できるのもうれしいポイント。
3000円を切る価格が魅力的なこのレインジャケット。ビニール素材で着心地は硬いが、体の中心部分を完全に防水してくれるうえ、サイドメッシュ仕様で蒸れにくく、袖はジャージが濡れない程よい長さ。前面と背面にはリフレクター素材が使用されているので夜間のトレーニングや通勤時に車に自分の存在をアピールすることができる。コンパクトに丸めて収納できるので、自転車通勤をしている人は会社への置きレインウェアとして活用するという方法も。
ゴアテックスを採用した軽さと強さを併せ持つ高性能レインウェア。定番モデルながらも常に進化しており、以前のモデルに比べて透湿性能が向上しているゴアテックス素材を使用する一方で、携帯に便利なように、軽量化も図られている。もちろん、携帯に便利な収納袋も付属している。
動きやすさも追及されており、風の抵抗を減らすスリムなシルエットや、立体裁断で腕を動かしやすい運動性、ヘルメットをかぶったままでフードの着脱ができる機能はヘルメットをかぶる機会の多いロードバイク乗りにはうれしいポイント。
デザインも細身に作られているため使いやすく、ロードバイクだけでなく日常着として使ったり野外イベント時などに使ったりと活用範囲が広いのはさすがのノースフェイスといえる。
すっきりとコンパクトに収納できるパタゴニアのハードシェル。高い防水性と透湿性を備え、嵐や極寒の雨の中でも使用することができる機能性を持つ。首の内側部分にはフリース素材が使われており、肌触りがよく快適。雨の日だけでなく、晴天時に街中で着用できるデザインなので汎用性が高い。
富士山や日本アルプスといった山でも対応できる高機能ジップアップジャケット。高機能と謳うだけあって、山で起こりうる雪や雨といったものから身体を守ることができる。防水透湿素材「オムニテック」を採用するだけでなく、縫い目全てに防水テープが貼られており、高い防水性を発揮している。
ストレッチ素材を使っているだけでなく、肩や肘部分は立体裁断になっているので動きやすくなっています。一方で強度にも優れていてハードに使っても大丈夫。使わないときに小さくたたんでおくためのスタッフバッグはポケット内部のエクストラポケットに。胸ポケットの開閉だけで衣服内のベンチレーションが可能なポケットは衣服内が蒸れやすいロードバイクにとって便利。
モンベル独自の防水透湿性素材のレインパンツ。ジャケットに比べてレインパンツは透湿性をそこまで重視しなくていいのでコストパフォーマンスの高いこのモデルを使うという手も。もちろん、安いからといって雨を通しやすいかといえばそうではなく、日々の使用には問題なく使えるので、初心者から使用頻度の高い人まで幅広く対応可能。生地は着心地がいいものを採用しており、雨の日でも違和感なく快適に走ることが可能に。
ロードバイクのレインパンツを選ぶならぜひともお勧めしたいのがこのレインパンツ。素材にはストレッチ性を実現した独自の防水透湿性素材を使用しており、ロードバイクの走行に適した快適な動作性が魅力。さらにウェアが突っ張らなくなっているので、走行時の前傾姿勢や足上げにもスムーズに対応。
他にも、レインウェア特有のカサカサという音がしない仕様になっているので雑音が気になることもなく集中してロードバイクに乗ることができる。もちろん、素材はゴアテックス素材で完全防水なので雨天時のブルベなど長距離ライドに最適。
パールイズミはロードバイクウェアを多数リリースしているメーカーということもあり、非常に細かいところまでロードバイクに最適化されている。雨天での走行を快適に便利にするための工夫も盛りだくさん。例えばパンツの裾がチェーンに接したりフロントギアに巻き込むことのないように、裾をマジックテープで絞ることができる機能。ちょっとした機能だが、これがあるおかげで裾を気にすることなくペダリングできる。
他にも、サドル部分の摩擦によってレインパンツの機能が落ちていくことに対しては、お尻の部分の生地を二重にして摩擦に強い作りになっている。さらに、裾はファスナーで開閉できるので裾口を広く開くことができ、靴を履いたまま着脱できるようになっているので突然の雨でもパンツの内側を汚すことなく着用ができるのも便利。
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