Seat bags that can carry lots of luggage are convenient for travel and long rides
ロードバイク本体に取り付けて大容量の荷物を運ぶことができるシートバッグ。リュックなどと違い体への負担が小さく快適な自転車旅には最適なアイテム。最近は各メーカーが様々な種類のシートバックをリリースしており、ロングライドや自転車通勤に使用する人も増えていて、今やロードバイクバッグの定番アイテムの一つ。ここではシートバッグの詳細とおすすめのシートバッグを紹介する。
シートバッグはサドルバッグを大きくしたようなバッグの一種。その始まりはMTBを使ってキャンプをするために多くの荷物を運ぶ目的で生まれた。ロードバイクにも装着されるようになったのは最近のこと。
自転車で宿泊しながら旅をすることは、以前から行われていたが、着替えや食料など様々なアイテムを持ち運ぶ必要があるため、大容量のリュックを背負い、自転車の前後にキャリアを装着し、サイドバッグを装着して運んでいた。昔はバッグそのものの重さもあり、全体的に重装備で、自転車で移動はできるけれど、走りを楽しめるレベルではなかった。
しかし、10年ほど前に生まれた自転車にバッグを直接装着するシートバッグの元になるものが生まれ、キャリアを使わずにキャンビングが可能な大容量を実現し、全体的な軽量化を果たした。
それまでロードバイクで多くの荷物を運ぶ必要がある場合、リュックを背負って走ることが主流だったが、シートバックは背負う必要がないので体の負担が減り、背中に熱が篭ることもなくロングライドがより快適になる。また、シートポストにキャリアを装備しなくてもよく、装着にはドライバーや六角レンチも必要ないので非常に手軽。
以前はハンドメイド系の工房のみがシートバックを作っており、その種類は少なかったのだが、近年様々なメーカーが次々と新製品をリリースし、価格帯や使い勝手などで自分に適した一つを選べるようになった。
出典 Amazon
シートバッグが作られるようになったのは2000年代頃から。その頃は主にMTB乗りがシートバッグを使っており、シートバッグをMTBに装着し、山道に入り、キャンプなどを行っていた。
レースを主な目的としていたロードバイクの方向性とは異なっていたが、その後、ロードバイクはレースだけでなく宿泊を伴うロングライドにも使われるようになり、リュックでは重さが体への負担となったり、背中に熱がこもったり、サドルバッグでは容量が不足していたりという問題を解決できるシートバッグのニーズが高まってきた。
そして、MTBで使用されていたシートバッグを、ロードバイクでも使用できるようなデザインでリリースしたのがアピデュラだ。アピデュラはイギリスのメーカーで、アメリカンブランドのワイルドなデザインに比べると、グレーの控えめなデザインを特徴としている。
その控えめなデザインは、ロードバイクに用いても違和感ないデザインで、サドルバッグよりも大容量なバッグを求める人のニーズにマッチした。その結果シートバッグを使う人が徐々に増え、アピデュラはシートバッグの定番ブランドへと成長した。
シートバッグのニーズが高まりに伴い、近年はトピークなどの大手のサイクルバッグメーカーからもシートバッグが続々とリリースされ、シートバッグはサイクルバッグの一つのジャンルとして確立された。
出典 Amazon
大手のサイクルバッグメーカーがシートバッグに参入することで、それまで以上に完成度が高いアイテムが市場に揃い、シートバッグ全体的なレベルの底上げになっている。また、多くの人の目に留まることにより、加速度的にシートバッグの認知度が高まっている。
シートバックの多くは2つの箇所でロードバイクに固定している。一つはシートポストにベルトやベルクロを使って固定し、もう一つはサドルフレームにバックルを用いて固定している。要はサドルバッグと同じような感じで装着は簡単。ただ、サドルの形状によってはバックル部分を通す部分が狭い場合は多少面倒。
注意点としては、シートポストの長さに注意したい。シートポストに固定するため、ある程度シートポストの長さが確保できていないと装着できないので、購入前に取り付けができるかどうかはしっかりと確認しておくことが大切。
サドルバッグに比べて多くの容量を入れることができるので、ロングライドや自転車旅、自転車通勤にも使いやすい。
シートバッグには様々なタイプがあり、それぞれ容量が異なる。容量は5リットルから16リットルの間のものが多く、サドルバッグに比べて荷物を多く入れることができる。
ロードバイクの定番バッグであるドイターのレースXの容量が12リットルなので、シートバッグの容量によってはリュックタイプよりも多くの荷物を入れることができる。さらに、リュックやメッセンジャーバッグと異なりバッグ内の空気を抜いて圧縮が可能なので結構な量を入れることができる。
気をつけたいことは、容量的には問題ないが、重すぎる荷物を入れることは避けたい。重いほど車体バランスが悪くなり、通常走行時は問題なくてもダンシング時に大きく揺れて走りにくくなるし、なにより荷物が重いとそれだけ疲れやすい。
シートバッグは2つのバッグから成り立っており、防水性や耐久性の高い外側部分のバッグと、その中に荷物を入れるためのインナーバッグの2つにわけられる。
そして、シートバッグの多くはロールクロージャー形式になっている。ロールクロージャーとはバッグを閉める際、バッグの入り口部分からクルクルと巻いて閉じていくやり方のこと。外側部分のバッグはもちろん、インナーバッグも中にいれる荷物に合わせてバッグをロールアップして大きさの調整が可能。上記の写真は10リットルのモデルだが、中の荷物が少なければバッグの大きさも小さくすることが可能。
荷物は圧縮して収められるので、普通よりも多くの荷物を入れることができる。また、インナーバッグの中には空気を抜ける構造になっているものもあり、衣服であれば圧縮が可能なので思った以上に荷物を入れることができる。
はじめに覚えておきたいのが、入れるものによって入り具合が異なること。例えば衣服であればインナーバッグに入れて空気を抜くことで思った以上の量のものを入れることができるし、制汗スプレーなどの大きさを変えることができないものであればそう多くは入らない。
つまり、衣類を運ぶ必要がある宿泊を含むロングライドや、会社に到着してから着替えを行うような自転車通勤時であれば多くのものを運ぶことができる。
重量 | 335g |
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容量 | 10L |
定価 | 10,780円 |
サイクルバッグの大手であるトピークが満を持してリリースしたのがこのバッグローダー。容量は2タイプで6リットルと10リットルを選べるので、使用用途に合わせて選択できる。とはいえ、このモデルは中に入れる荷物の大きさに合わせてバッグの大きさを調整できるため、使用用途が明確に決まっていない限りは10リットルのサイズのものを選んでおくといい。
10リットルでも荷物が少なければここまで小さくできる。
ちなみに、バッグ上部にはネットがあり長さが調整できるので、バッグの中に入りきれなかった輪行袋やレインウェアをこの部分に固定することも可能。そのため、運べる容量は更に増える。ただし、重量制限は8kgなので水の入ったウォーターボトルなど重いものを置くようなことは避け、重い荷物はボトルケージに入れるなりして分散させるといい。
生地はトピークのサドルバッグと同じく軽量ながら耐久性のある生地を使っており、全体的な作りもしっかりしているなど、サドルバッグで培ったノウハウを十分に活かされている。また、乗車中に何かに強く擦ったりしても色が落ちにくい素材を使っているので、長い間使うことが可能。
防水性も高く、雨天時でも使えるようにバッグ外側は防水構造になっており、インナーバッグも防水性を持つ素材。完全防水というわけではないがバッグを正しく閉じておけば、そんなに簡単には中のものが濡れることはない。
また、雨上がりなど路面の状態が悪い場合でもバッグローダーが泥除けの役目も果たしてくれるので、泥除けは不要(というかシートバッグをつけると泥除けは装着できない)。もちろん、バッグは汚れてしまうので帰宅後しっかりと洗っておこう。
圧縮前
圧縮後
シートバッグ選びのポイントとして、中の荷物をどれだけ圧縮できるかというところだが、バッグローダーのインナーバッグは空気を抜くための穴と栓をするキャップが付いている。荷物を入れた後にインナーバッグを手で押して空気を抜けば中の空気を排出できて簡単に圧縮が可能。
空気を抜き終わったらキャップをひねって栓を閉じればそこから空気が入ることがないので時間が経つごとに空気を吸ってもとの大きさに戻るようなこともない。この機能のおかげで2泊3日のロングライドに使う衣服であっても問題なく持ち運ぶことができる。
夜間の事故を防ぐために、通常であれば夜間になるとシートポスト部分にテールライトを付けるが、シートバッグをつけるとこの部分が隠れてしまう。ただし、このバッグローダーはバッグを閉じた部分にテールライトを装着する部分が設けられているので、夜間走行時の安全性を高めることができる。
キャットアイのRAPID X3はバンドで留める仕組みになっており、このような部分に止めることができるため便利。
サドルレールに装着するバックルは安定感を高めるために大きめになっている。これにより、多少重い荷物を入れていても走行中に外れたり、荷物が左右に動いたりして走りにくいということも軽減される。
ただし、サドルレールの形状によってはバックルを通しにくいので、その点だけは若干のマイナスポイント。
取り付けに必要なタイヤからの距離とシートポストの長さは以下の通り。きちんと確認しておこう。
トピークのバッグローダーを使ってシートバッグの装着方法を紹介する。
インナーバッグに荷物を入れる。できるだけ多くの荷物を入れることができるよう、荷物を入れる際は中の荷物を圧縮する感じでコンパクトにする。この時点ではまだ空気は抜かない。底の方に重いものを入れるのがコツ。
クルクルと入口部分を巻いてインナーバッグを閉じる。
空気穴を開き、バッグを押して空気を抜き圧縮。中の空気を全部出しておくぐらいの気持ちで。
シートバッグにインナーバッグを入れる。きちんと圧縮しておくと入れやすい。中身が中途半端に入っていたり、ベルトの固定が緩かったりすると走行中バッグは左右に揺れ、非常に乗りづらくなるので注意したい。
アウターバッグを圧縮するように、ロールクロージャーを巻いて閉じる。出口とバッグ側面の2つのベルトをバックルでつないだら、ベルトを絞ってバッグをより固く圧縮する。
シートポストに固定ベルトを巻く。この段階では、まだ仮止め状態でいい。
サドル部分の固定ベルトをサドルレールのすき間から入れバッグ側面で止め、ベルトを絞ってバッグをサドル後部に固定する。
仮止めだったシートポスト固定ベルトを本止めする。
バッグ側面にぶら下がっている余ったベルトがあれば結んだり収めたりして装着完了。
荷物を入れる順番は、シートポストに近い奥に重いものを入れ、軽いものを出口付近にいれたほうが安定する。また出し入れしたいものがあるなら、手前に入れておいたほうが出しやすい。
なお、走行中に中の物を取り出したい場合は、装着したままロールクロージャーを開けてから取り出すので、サドルへの取り付けを頻繁に行う必要はない。
シートバッグは正しく装着しないと走りづらく、最悪バッグやロードバイクの破損、転倒を招くので注意が必要だ。
まずタイヤとの間に十分な間があること。例えば、トピークのバッグローダーは9cm以上間を空けておくことと記載されている。荷物が重い場合は、シートとタイヤの間に大きなスペースがあっても、きちんと固定していないと乗車中に重みで徐々にシートバッグ後部が下がってくることもあるので注意したい。
シートバッグが下がっている状態で知らずに走っていると、バッグとタイヤが接触して摩擦がおきることで、バッグが溶けてしまったり、タイヤにバッグが巻き込まれ転倒の原因になる可能性もあったりと非常に危険。このようなことにならないように、装着の際はバッグを立たせる感じを意識して装着すると空間をあけることができる。
バッグを装着するために固定ベルトがついているが、きちんと装着すると多くの場合ベルトの余りが出てしまう。このベルトが不用意にぶら下がっていると、タイヤに巻き込んだりブレーキシュー付近に絡んだりすると非常に危険。余り紐はバックル部にホルダーがある場合、そこに収めておくか、他の箇所に巻き込んだり結んだりしておくこと。
アピデュラやレベレイトデザインなどのメーカーもシートバッグをリリースしているが高価格。一方でこのバッグローダーは10,000円程度で購入でき、耐久性や防水性、そしてたくさんのものを入れることができるなど、シートバッグとしての機能を十二分に備えているので、コストパフォーマンスもいい。
シートバッグ選びで迷っているのであればぜひともおすすめ。
出典 Amazon
トピーク(トピーク) Back Loader バックローダー 10L
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