Consumables
ロードバイクにメンテナンスや点検が必要なのは、パーツが消耗してくるからだ。パーツが消耗してくると、本来の性能が保たれなくなり、思い通りに走らなくなったり止まらなくなったりする。
コンディションを保つために、定期的に交換が必要なパーツについての正しい知識を蓄えておこう。
ロードバイクには多くのパーツが使われており、走るたびに消耗している。消耗することによって走行機能や停止機能、ギアチェンジ機能などが低下していくため、使用限界を超えたパーツは定期的に交換する必要がある。
ロードバイクのパーツの中で、主に消耗品として挙げられるのは、ブレーキパッドとワイヤー類、チェーン、バーテープ、リムテープなど。中でも大切なのがブレーキパッドとワイヤー類だ。
パーツ | 交換の目安 |
---|---|
ブレーキパッド | 溝がなくなりかけたら交換 |
ワイヤー | 3000~5000km |
チェーン | 3000~5000km |
バーテープ | 見た目で汚れたら交換 |
リムテープ | タイヤ交換時期 |
タイヤ | 3000~5000km |
シマノ(SHIMANO) リペアパーツ カートリッジタイプブレーキシュー用シューパッド R55C4 (2ペア入)
出典 Amazon
時には時速60kmを超えるロードバイク。軽量化やコンポーネントのグレードアップなどを行なえば、走りは軽く、快適になっていく。しかし、ロードバイクで走るために一番大切なことは、思い通りにしっかりと減速、停止ができることだ。
この減速、停止を司っているのがブレーキパッド。このブレーキは、キャリパーの内側にブレーキパッドを取り付け、ワイヤーでキャリパーを引くとパッドがリムを挟む仕組みになっている。
ブレーキパッドはゴムやコルクでできており、リムに押しつけられるたびにすり減る。パッドの使用限界を超えてしまうと制動力が弱まって、思い通りに減速や停止ができなくなるため危険だ。
交換時期はブレーキパッドの溝がなくなった時だが、できれば半年に1回は交換したい。値段もそこまで高くないので、定期的に交換することをおすすめする。
ブレーキパッドはリムの材質(アルミやカーボンが主流)によって種類が分かれており、カーボンリム用はアルミリムにも使えるが、アルミリム用はカーボンリムには使えない。購入の際は間違いのないようにしよう。
これはカーボンがデリケートな素材であるため、アルミ用パッドを使用すると傷ついてしまうからだ。また、ブレーキ性能を維持するにはパッドだけでなく、レバーやワイヤーのトータルなコンディションが重要になる。
ちなみに、カーボンリム用のブレーキパッド(下画像)はアルミリム用より若干高い。
シマノ(SHIMANO) カートリッジタイプブレーキシューR55C4 カーボンリム用
出典 Amazon
コンポーネントの2大メーカーとして有名なシマノとカンパニョーロだが、メーカーことに各部の構造が多少異なる。下記はカンパニョーロのブレーキパッド。
[カンパニョーロ] ブレーキパッド BR-RE700
出典 Amazon
ブレーキパッドについては、シューへの固定方法が異なり、カンパニョーロはシューの溝に差し込むだけだが、シマノの場合は、差し込んでからビスで固定する。そのため、パッドには節が切られている。購入する際は間違えないようにしよう。
シマノ製は国産なので手に入りやすいが、カンパニョーロのブレーキパッドは結構手に入りにくい。アマゾンでも結構高い。
シマノ ロード用SUS ブレーキケーブルセット
出典 Amazon
ワイヤー類は走行中突然切れる場合がある。ブレーキケーブルは切れにくいが、シフトケーブルは変速のたびにケーブルをひねるような動きをするため、ブレーキケーブルに比べれば切れやすい。ただ、シフトケーブルが切れても、変速ができないだけで一応は走行できるのが僅かな救い。
ワイヤー類はセットで、シマノやカンパニョーロからリリースされている。また、それ以外にもサードパーティメーカーのものや、ワイヤーごとに単体でも購入することもできる。
ちなみに、必要な工具はペンチ。ない場合は一緒に購入しておこう。ロードバイクのケーブル切断にはKing TTC ワイヤーロープカッターが切りやすくて便利。
King TTC ワイヤーロープカッター
出典 Amazon
ただし、シマノ用とカンパニョーロ用ではワイヤーエンドのタイコ部分の形状が異なるため、互換性はないので気を付けよう。ケーブルがフレーム内蔵式の場合、若干難しいので自転車店にお願いするという手も。
シマノ ULTEGRA CN-6701 チェーン 10段
出典 Amazon
ロードバイクの駆動の要となるチェーンには、漕ぐたびに負荷がかかるため使用していると伸びてきて、シフトチェンジがスムーズにできなかったりギアが外れたりする。
交換する場合は、コンポーネントのグレードに合わせたチェーンがあるので、これを選べば問題ない。アマゾンなどでは、対応段数が記載されているので、それを参考にしよう。
チェーンは手作業で交換するのではなく、チェーン交換にはチェーンカッターが必要。この工具さえあればチェーン交換がそこまで難しくなくできるので、自転車店に依頼するよりも遥かに安く交換ができるのでおすすめ。詳しくは「チェーンの交換方法」を参考に。
PWT チェーンカッター CT-03R
出典 Amazon
ただ、チェーンリングやスプロケットも消耗品なのだが、これらの交換には専用工具が必要であり、比較的メンテナンスサイクルも長いため、自転車店に相談してもよい。
オージーケーカブト(OGK KABUTO) 自転車 バーテープ BTシリーズ
出典 Amazon
路面からのショックを吸収し、ハンドルのグリップカを高めるバーテープは、操作中に大きく影響してくる。少しでも違和感があるとライディングに集中できない場合もあるだろう。
コルクや麻、シリコンといった様々な素材から、通気性の良さやグリップを高めたものなど、様々なバーテープがあるので、色々試して自分にピッタリのテープを探すと良いだろう。
シマノ ロード用リムテープ
出典 Amazon
クリンチャーリムの底にはニップル溝の角やバルブ穴があるため、通常その上にはリムテープが巻かれている。
これは櫛や穴の角からチューブを守るためのもので、タイヤが段差などを超えるときにリムと地面にチューブが挟まれてパンクする、「リム打ち」を和らげる効果もある。
このリムテープも消耗品であるため、タイヤ交換時などに一緒に換えると良い。
タイヤも消耗品だ。ロードバイクはタイヤと路面との摩擦で走っている。そのため、タイヤの接地面が摩耗によって減っていく。溝がなくなったらグリップがきかなくなり滑りやすくなるので危険だ。この場合はすぐにタイヤの交換を行おう。
他にも、タイヤは紫外線を受けることで劣化していく。劣化によってひび割れが起こり、最終的に使えなくなる。
交換時期だが、一般的には約3000~5000km程走る頃が交換タイミングだと言われている。タイヤによっては、交換時期を表す窪みがあり、その窪みがなくなってきたら交換するタイミングとわかるものもある。下記はコンチネンタルのグランプリ5000で、2箇所に交換時期の参考になる窪みがある。
また、普段の駐輪を外にしている場合は紫外線による劣化のほうが深刻だ。この場合、一切乗らなくても1年に1回は交換したい。どのようなタイヤを選べばいいかについては、タイヤの選び方を参考に。
パーツ | コメント |
---|---|
チェーン | 見た目では消耗がわかりづらいので、3000~5000kmに達したらショップでチェックしてもらおう。チェーンが伸びた状態で走っているとスプロケットなどを摩耗させてしまう。 |
タイヤ | 種類にもよるが、3000~5000kmが交換時期の目安。その距離に達してなくても、経年劣化によってコンバウンドの硬化が進んでグリップカが落ちたり、ケーシングがほつれたりする。できれば1年程度使用したら交換すると良い。リムテープもタイヤ交換と同じタイミングで交換しよう。 |
バーテープ | 見た目で汚れたら交換でいい。ただ、黒いバーテープだと汚れがわからないので、半年に1回くらいは交換しておきましょう。バーテープは価格も安く、気軽に交換できるところ。ロードバイクの雰囲気をガラリと変えることもできる。 |
ワイヤー | サビやほつれが見られる場合には交換しよう。目安は5000kmくらい。レバー内部でワイヤの先端部分がほつれてしまうこともあるので、急にリヤの変速が決まらなくなった場合はショップでチェックしてもらおう。 |
ブレーキパッド | 溝がなくなりかけたら交換だが、雨の日は一気に減ってしまうので、雨の日に長時間乗る可能性があるときは早めの交換を。また、ブレーキパッドはゴム製品のため経年劣化する。紫外線による劣化もある。装着後1年以上経過した場合は、破損したりひび割れたりしていないかチェックしよう。 |
定期的に交換が必要なパーツは基本的には上記の5点だ。絶対に交換しないといけないものはブレーキパッドで、それ以外は随時で構わない。
いずれも交換はそんなに難しいものではないので、ロードバイクへの愛着を深めるためにも是非自分で交換してみてはいかがだろう。 バーテープが上手く巻けなくてもそれはそれでいいものだ。
機械に弱かったり、自信がない人は5,000kmほど走行したり、ロードバイクの不調を感じたりしたら、購入した自転車店に持ち込んで点検してもらおう。購入したお店なら無料で点検してくれるお店も多い。その際、交換が必要なパーツなどを教えてくれる。
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