Care before and after driving
体はゆっくりと温めることが基本。これはロードバイクに乗る乗らないに関わらず、1日を通しての疲労を少なくする基本であるとともに、関節や筋肉への障害を予防するうえで、非常に重要なことである。
そのため、走行前に軽いストレッチを行い、体を徐々に温めてから走り始めると非常に効果的。ロードバイクに慣れてくると、最初から速度を上げて走りたくなることもあるが、そんなときほど、体を壊しやすい。走りはじめの際は、軽いギアでペダルを踏みながら関節の曲げ伸ばしを行うなど、体をゆっくりと温めることを意識したい。
ロードバイクで走る前には、ウォームアップの一環としてストレッチを行いたい。
ストレッチを行うことによって、筋肉が伸び、血流が増える。そうすることで、体の温度が上がり、体が元気に動ける状態になる。ストレッチは他にも、筋肉や関節靭帯、腱などの障害を予防、疲労回復の促進、体の柔軟性を高め怪我を防ぐなど、様々な効果がある。
ストレッチを行う順番にも注意したい。初めの方はゆるいストレッチを行い、ハードなものは体全体が温まってきてから行うこと。体が温まる前にハードにストレッチをするのは逆効果。あくまで筋肉や関節が温まった状態で、ゆっくりと伸ばすこと。
ストレッチは正しい方法で行うことが大切。自己流ではなく、詳しい人に教えてもらったり、専門家の本を読んだりして、正しい方法を身につけること。
また、体を伸ばす際、弾みをつけたり、痛いほど伸ばしたりすると筋肉を痛めやすい。もう一つ、呼吸を止めて体を伸ばそうとしても、体が十分に伸ばせないので、常に深い深呼吸を行いながら注意すること。
体が温まっておらず、筋肉が固まっているときにハードなストレッチを行うのは逆効果。故障の原因ともなる。最初に優しいストレッチで体を温めることが大切。
筋肉を伸ばす際は、反動をつけないことが大切。勢いに頼ると、必要以上に伸ばして傷めてしまう。痛いと感じるところまで伸ばすのも逆効果。このようにやりすぎてしまうと、筋肉の防御反応により、硬くなることがある。
同じ部位を長い時間伸ばし続けると、筋肉が弛緩してしまい、収縮能力が下がる。各部位30秒くらいが目安。
筋肉を伸ばす際は深呼吸しながら1ヵ所に30秒ほど時間をかけて伸ばす。漫然とポーズをとるのではなく、伸ばしているところに意識を集中させることが大切。
この時、深呼吸しながら行うことがポイント。呼吸を止めると筋肉が緊張してしまい、リラックスできず伸び切らない。
これはストレッチの方法の一例。前述したとおり、詳しい人に教えてもらったり、専門家の本を読んで学ぶといい。本は年令や性別、ストレッチのレベル、先生との相性などがあるので、いくつか試し読みするのがおすすめ。
おすすめは上記の「世界一伸びるストレッチ」。この本は様々な部位ごとに数種類のストレッチ方法が記載されていて、立った状態、椅子に座った状態、寝た状態などその時の自分に適したストレッチを探して実行できる。
軽く足を開いて立ち、両手を組んで頭上に伸ばし、真上に引っ張り上げるようにする。体が反らないようにしよう。
頭に手をかけ、前後左右にゆっくりと曲げる。強く引っ張らないこと。ロードバイクに乗っているときの乗車姿勢は首への負担が大きいため、首の筋肉をほぐしておくと効果的。
足を前後に開き、前に体重をかけて、後ろ側の足首を深く曲げる。後ろ側のひざを軽く曲げると、アキレス腱をより伸ばすことができる。
片足のひざを深く下げ、その足首を反対側の手で持ち、胸を張りながら引き上げる。もっとも酷使される太もも前面の筋肉が伸ばされる。
左腕を曲げ、手のひらを右肩の後ろに置く。右手を左のひじにかけ、右側に引っ張る。反対側も行う。前かがみにならないように。
走り出しの数分は、意識的に軽めのギアを使うこと。これにより膝の痛みの予防にもなる。同様に、停止状態からのスタート時にも、軽めのギアを使うことを習慣にすれば、膝への負担を抑えることができる。
走行後は疲れを残さないためにクールダウンを行う。ウォームアップに比べておろそかにされがちだが、この効果はとても大きい。
クールダウンの重要性については、筋肉痛のメカニズムを知っておくとわかりやすい。
運動を続けると筋肉中のグリコーゲンという物質か燃やされ、乳酸という老廃物が生まれる。これが毛細血管中で血液の循環を鈍らせることになり、疲れの元となる。
走り終えて疲れた状態のままにしておくと、その乳酸はなかなか除去されない。これが筋肉痛の状態だ。放っておいても和らぐが、時間がかかる。そこで、走行後にも軽い有酸素運動を続けて、血液中に酸素を送り込み、乳酸を除去する。これがいわゆるクールダウンと呼ばれるもの。
具体的な方法としては、ウォームアップと同じように、軽いペダリングやウォーキングなど負荷をかけない運動を行うこと。
走行後のストレッチも筋肉を収縮させることで、毛細血管の動きを活発にするので効果は大きい。セルフマッサージなども、結果的には同じような効果となる。
マッサージは非常に有効だし、自分で行うセルフマッサージでも十分な効果を発揮する。特に運動後の疲労回復に効果的だ。
セルフマッサージの基本は、手のひらや指を、筋肉に沿って末端から中枢へとさするように動かすこと。毛細血管の末端にたまった老廃物を、心臓に向かって送り出すようなイメージ。
筋肉は関節の先から始まっているため、指の先までさすると効果が高い。また、マッサージは一方通行でさすることが重要。往復してさすると効果は薄い。
他にも押す、もみほぐすなども効果的。心地よい範囲で行うのが基本だ。
夏場の暑い時期などは、運動後すぐに水風呂に入って筋肉を冷やすことで、筋肉の炎症や緊張を軽減させることができる。さらに、冷やした身体で温かい湯に入ると血液の循環が促進されて疲れが取れやすくなる。
アイシングは水や氷など冷たいもので身体を局所的に冷やして、運動時の負傷の防止や筋肉痛・疲労蓄積の軽減を行うことを指す。
筋肉を使うと、熱をもつ。それは軽い炎症でもある。炎症を冷やして抑えることと、冷やして血流が流れにくい状態を作ることでアイシングをやめたときに、より活発な血流を促し、筋肉中の老廃物の除去を促進することができる。
アイシングを行う際は、アイシングバッグという専用バッグもあるが、ビニール袋でも十分だ。氷水を入れ、熱をもっていると感じるところに当てる。水のみを直接肌に当てると、凍傷の原因となりやすいので要注意。また、長時間行うのも凍傷の原因となるため、アイシングを行う時間の目安はおおむね10-30分としておくこと。
運動後は栄養補給も欠かさないようにしたい。自転車に乗っているときの栄養補給も重要だが、降りてからの栄養補給とケアが翌日以降の体調を大きく左右する。運動終了後の約1時間を大事にしてほしい。
まず行いたいことは、糖分を摂ることだ。走った分だけエネルギーは消費されている。疲れを残さないためにもできるだけ早めに(運動後30分以内が望ましい)身体のエネルギー源である糖分を補充する。
吸収の早いサプリメントやプロテイン、麺類やパン、フルーツなどが適している。 プロテインについては「筋肉を鍛えるためにプロテインを用いる」にて紹介しているので、参考に。
人気のページ
ロードバイク虎の巻カテゴリー
人気のページ
新規記事