Brake shoe replacement method
ロードバイクのブレーキは大きく分けて2つの種類がある。1つはタイヤ側面のリムをゴム製のもので挟み込んで制動するタイプのキャリパーブレーキ。もう1つはローターに摩擦材を押し付けて停止させるディスクブレーキ。
ディスクブレーキを採用しているモデルがここ最近増えてきているが、まだキャリパーブレーキを搭載しているモデルのほうが多いのが現状。
ここでは、キャリパーブレーキのパーツの中で定期的な交換が必要なブレーキシューの交換方法を紹介する。
ロードバイクのブレーキは、ハンドルについているブレーキレバーを引くとアーチが動き、ブレーキシューでリムをはさみこむことで制動する仕組みになっている。このブレーキシューは多くの場合ゴム製で、挟み込む動作を繰り返すことで摩耗していく。
ブレーキシューはロードバイクに乗っている限り必ず摩耗していく。シューが減るとリムとの間隔が開き、レバーを通常よりも強く引かなくてはならなくなるし、シューが減りすぎてなくなってしまうと最悪の場合ブレーキが効かなくなる。
雨天時にはブレーキシューが摩耗しやすいので、ブレーキシューの溝がもう少しあるから大丈夫と思っていても突然不具合が発生する場合があるので油断しないようにしたい。
一般的にブレーキシューは溝がなくなってきたら交換タイミング。さらに、安全を優先して半年ごとに交換すると、いざという時安心。
洗車時や注油時などにはブレーキシューの状態の点検を行いたい。まずはブレーキシューの溝の状態を確認。前述のとおり溝がなくなっていたら交換が必要。また、そろそろ交換が必要かどうかも確認したい。
シューに異物が付着していないかも確認するポイント。シューに金属片が刺さっているとリムを傷つけてしまう。走行中リムから異音が聞こえる場合はブレーキシューに異物が挟まっている可能性もある。異音が聞こえなくても付着している場合もある。もし付着している場合は、先の細い工具を使って金属片をとり除く。
チェーンへの注油などの際はブレーキシューの部分にオイルがつかないように注意したい。ついてしまうと、ブレーキシューがリムを制動することができなくなる。
もしメンテナンス中にオイルが付着してしまったという場合は、ヤスリでブレーキシューの表面を削って表面ごとオイルを取り除く。この場合はリムにもオイルが付着しているかもしれないので、リム部分もしっかりとウエスで拭いておくこと。
シマノの105以上のブレーキはカートリッジ式と呼ばれるタイプを採用しており、ブレーキシューとブレーキシューを固定させるカートリッジから構成されている。
工具も細めの六角レンチさえあればブレーキシューはカートリッジから簡単に抜き取ることができるので、カートリッジを外すことなくシュー交換することができる。
ブレーキシューの取り付け角度やタイヤとの隙間は重要なポイントだが、カートリッジ式はシューの位置はそのままで、ゴムを引き出して、新しいものに入れ替えるだけで交換できるため、シューの位置調整も必要なく、簡単に交換できる。
SORAなど下位グレードのコンポーネントの場合はカートリッジ式でなく、カートリッジとブレーキシューが一体化されている。交換のたびに位置調整をするのも面倒なので、初めてブレーキシューを交換するタイミングでブレーキシューとカートリッジ部分だけのアップグレードをおすすめしたい。ブレーキの交換だと大作業になるが、このレベルなら簡単だ。
初期コンポーネントが例えば105であってもSORAであっても、一度ブレーキシューとカートリッジをアルテグラのものにアップグレードすれば、今後はブレーキシューだけの交換でいいので手軽。ブレーキも上位のコンポーネントのものほど制動性が高いので、交換の際はぜひアップグレードすることをおすすめしたい。
前提としてブレーキ、とくにブレーキシューはシマノならアルテグラ以上のグレードのものが良い。ブレーキの効きが強力になるためスピードコントロールが行いやすい。さらにシュー台座の設計もよく微調整しやすくなる。
メンテナンス性の面でも優れており。アルテグラ以上のグレードであれば台座を固定したままブレーキシューのみ交換ができる。そのため手間も省けるだけでなく長期的に見るとコストを抑えることができる。
出典 Amazon
シマノ(SHIMANO) ブレーキシューセット BR-6700他適応 グロッシー カートリッジ R55C3
ブレーキシューのみ交換の場合は、装着しているカートリッジに適したブレーキシューを購入すること。
出典 Amazon
シマノ ブレーキシューブロックBR-7900他適応R55C3カートリッジタイプ
基本的にはシマノのブレーキシューのみの交換の場合はR55C4(BR5800)が共通のものになっている。
ここではシマノコンポーネントとそのブレーキシュー対応表を紹介する。
コンポーネント | ブレーキ | ブレーキシュー |
---|---|---|
DURA-ACE 9000 | BR-9000 | R55C4 |
ULTEGRA 6800 | BR-6800 | R55C4 |
105 5800 | BR-5810-RS | R55C4 |
105 R7000 | BR-R7000 | R55C4 |
TIAGRA 4700 | BR-4700 | R50T5 |
SORA R3000 | BR-R3000 | R50T5 |
CLARIS R2000 | BR-R2000 | R50T5 |
必要な工具は六角レンチとドライバー。どちらも携帯用工具についているレベルで十分。
出典 Amazon
Oziral 自転車工具セット 携帯マルチツール 六角レンチ
カートリッジを外す場合、一緒についているワッシャーなどの小物を紛失してしまいがちなので注意すること。ワッシャーやネジがないと、せっかくブレーキを交換したのに、ブレーキが正常に機能しなくなる。シューのみカートリッジから外す場合は、カートリッジをアーチに付けたまま行うので、紛失の心配はない。
もう一つの注意点としては、取り付けの順番を覚えておくこと。うっかりするとワッシャーなどの取り付ける順番を忘れてしまう。こうならないように、片方を外して取り付けた後に、もう片方を外して取り付けるというやり方をすると順番を忘れない。
ブレーキシューはブレーキアーチに付けた状態のままでも取り外し可能。
まずはメンテナンススタンドを使ってロードバイクを固定する。 ロードバイクの左右から調整を行うので、壁に立てかけたまま作業をするのは非常に難しい。
カートリッジを固定している固定ボルトを六角レンチで外す。携帯用工具についているレンチでもできるはず。ゆっくりと外し、ワッシャーなどの紛失に注意しよう。
可能であればこの時にブレーキアーチの裏やリムを掃除しよう。普段手の届かない場所なので汚れが溜まりやすい。ブレーキアーチの裏などはウエスで。リムはラバー砥石を消しゴムのように使うと綺麗になる。
出典 Amazon
ブレーキのききが良くなるのはもちろん、ホイール部分が綺麗になると全体的に非常に綺麗に見えるのでぜひやっておこう。
まずはメンテナンススタンドを使ってロードバイクを固定する。 ロードバイクの左右から調整を行うので、壁に立てかけたまま作業をするのは非常に難しい。
カートリッジの後ろ側にある固定ねじをドライバーで外す。こちらも携帯用工具でいけるはず。
シューをカートリッジからスライドさせて取り外す。
ブレーキシューの交換作業は簡単にできるが、カートリッジごと交換する場合はしっかりと調整することが求められる。
たとえ新しいブレーキシューに交換したとしても、しっかりと設置されていなければ本来の制動力を発揮させることはできない。微妙な調整が必要だが、手順を守りながら、シューとリムの隙間をしっかり調整しよう。(調整方法は後述)
ブレーキシューのみの交換の場合は、手順1だけでよく、非常に楽。
外し方の逆で、シューをカートリッジにスライドして入れる。固定ねじを取り付けるとシューのくぼみにはまり、抜け防止になる。
カートリッジごと交換する場合は、最初からカートリッジとシューがくっついた状態で販売されている。
ワッシャーの向きや順番に注意し、ブレーキシューを大体の位置に仮止めする。固定ボルトは固く締めるのではなく、後で調整しやすいよう緩めに仮止めしておく。
ブレーキレバーを握ってアーチを動かし、ブレーキシューが正しくリムに接触しているかを確認する。左右が均等に当たるように、取付け位置の調整を繰り返す。
シューをリムに平行、かつ左右均等に当たるように調整。シューとリムとの隙間は1.5mシュー上端とブレーキ面上端との隙間は1mm以上を目安にする。
カートリッジの位置が定まったら、シューが動かないようにしっかり押さえつつ、固定ボルトを本締めする。締めこんだ後も何度かブレーキのかかり具合を確認する。
ブレーキシュー交換の際、最も注意したい点としてはシューを正しい角度で取り付けること。シューが曲がって取り付けられているとブレーキが本来の力を発揮しない。
調整の際、ブレーキシューはハの字のように先端側を0.5mmだけ補足すると効きがよくなる。また、ブレーキ時にシューから音がするトラブルも解消される。この微調整を行うために、位置調整の際にはシューの後ろ側に0.5mmに調節した紙を挟んで調整する。
調整がうまくいかず、極端なハの字を作ってしまうとブレーキの効きが悪くなり、かえって逆効果なので注意。安全に関するパーツなので、不安な場合はブレーキシューを調整するアイテムを使ってもいい。
出典 Amazon
BIKEHAND YC-193 ブレーキシューチューナー
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