シーラントの使い方とオススメの一本

Sealant

クリンチャータイヤのインナーチューブの代わりがシーラント。液体状のシーラントをチューブレスタイヤ内に入れることにより、空気保持力を高め、パンクを防ぐ役割を持つ。ここでは、シーラントに関する基本的な内容を紹介する。
シーラントの使い方とオススメの一本

シーラントの種類とその特徴

シーラントはタイヤ内に入れる液体のこと。シーラントの素材には2つの種類があり、1つは乾燥しやすく、タイヤ内部にすぐに膜を貼りやすいラテックスタイプで、もう1つは液状が続きやすく長期間使用できる非ラテックスタイプ。なお、ラテックス系も非ラテックス系も空気保持力の性能差はない。

ラテックス系

大まかに言えばゴムが含まれるタイプのシーラントがラテックス系。即効性が高いのが特徴。乾燥しやすく、すぐに膜を張ってくれる。現行販売されているシーラントの多くがこのラテックス系である。

非ラテックス系

ラテックス系に比べ、固まるまでの時間が長いのが特徴。そのため、液体の状態が長く続き、長期間の使用に耐える。

どのようなシーラントを選ぶべきか

タイヤメーカーの指定するものを使う

基本的には、タイヤメーカーが推奨する純正品のシーラントがあれば、それを使用する。ただ、メーカーによっては指定のないメーカーもあり、その場合はどのメーカーのシーラントを使ってもよい。僅かな違いはあるが、基本的には各メーカーそれほど性能差はない

空気保持力は種類ではなく中身の濃さで変わる

空気保持力はラテックス系か非ラテックス系かで変わるわけではなく、内容物の濃さで変わる。一般的には、値段の高いシーラントほど成分が濃く入っており、空気保持力が高くなる傾向にある。ただし、成分が濃いものはその分重くなるため、一グラムでも軽くしたいと思っている人には、高級なシーラントが適していない場合もある。

シーラントに関する注意事項

タイヤから水が染み出してくるのは問題ない

シーラントを充填してしばらくすると、タイヤの側面からシーラントの水分が濾過されて出てくることがある。それは構造上問題ないため、タイヤに穴が開いているなどと勘違いしないようにしたい。なお、シーラントはタイヤ内部に膜を貼るだけでなく、タイヤにも染み込むことで、空気保持力を向上させる。

充填から2-3日経過すると水の染み出しはおおよそ収まる。こうなってから初めて、完全な空気保持性を発揮してくれるようになる。この時点で空気を足しておくことが必要。

補充の際は必ず降ってから

シーラントは使用済みのものであろうと、新品であろうと、内容物が分離していることが多い。補充の際は最初にしっかりと振ってから補充することを忘れないように。

補充は3ヶ月を目安に

シーラントは一度入れればそのまま永続的な効果があるというわけではなく、時間が経つごとに徐々に気化していく。また、シーラントが液体ということもあり、時間が経過するに従って徐々に1か所に偏ってくるため、空気保持力も落ちてくる。さらに、タイヤに貼られたシーラントの膜も、時間経過によってヒビ割れが起き出すため、空気の保持力も低下していく。

そのため、定期的な補充は欠かせない。そのシーラントメーカーが指定する数ヶ月に一回のタイミングで交換することが必要。メーカーによってその期間は異なるが、補充はおよそ3ヵ月ごとにが目安。

ホイールをしばらく使わない場合は注意が必要

ホイール保管の際はバルブを横向きにして保管

日々使っているのであれば特に気に留めなくても良いが、しばらく使わないホイールを保管する場合には、バルブの位置に気を付けたい。というのもバルブ内にシーラントが残ってしまうと固着してしまうためだ。

バルブを上にしたまま保管するとバルブの先端にほんの少しシーラントが残ってしまうことがあり、バルブを下にしたまま保管するとバルブの箇所にシーラントが溜まってしまいやすい。そのため、バルブ位置は上下ではなく真横にして保管することがベストと言える。

ロードバイクに装着していても、しばらく乗らない場合はホイールを動かして固着を防ぐ

ロードバイクに2-3週間以上乗らない場合も注意が必要。4-5日に1回、ホイールを半回転させてシーラントの固着を防ぐことが大切。

シーラントを充填している状態で駐輪すると、シーラントが地面側に偏った状態で固まってしまうことがある。こうなると本来の性能を発揮できなくなる。そのため定期的に乗るか、気づいたら半回転させて固着を防ぐ。もちろん、回転させた後はバルブの位置は真横にした状態でホイールの位置は留めておき。バルブ内での固着を防ぐ。

タイヤ交換時に残っているシーラントはどうするべきか

タイヤを装着したままウエスでシーラントを拭き取ってから外す

タイヤ交換時のタイヤ内に残っているシーラントの扱いに困ることが多い。タイヤを外す際は、全て外す前に、タイヤを装着した状態で残っているシーラントをウエスで拭き取る。

シーラントをそのままにしておくと、タイヤを外す際に漏れ出してきて、タイヤの外側やリムに付着してしまうこともあり、こうなってしまうと掃除が面倒なので、先に綺麗にしておく。こうすることで、残ったシーラントの飛び散りを防ぎ、結果として掃除の手間を減らせる。

水洗いしてもいいが排水口に流すと詰まってしまうことも

交換時に残っているシーラントは、そのまま手で剥がしてもよいが、水洗いしてもいい。しかし、水洗いを行う際に室内の流し等の排水口に流すと、固まったシーラントが排水溝を詰まらせてしまう原因となるため、室内の排水溝へ流すことは避ける。そうした恐れのない屋外の排水溝なら水洗いしても良い。

シーラントがこびりついて取れない場合は高圧洗浄機を用いる

タイヤやリムにこびり付いたシーラントを取る作案はかなり大変。しかし、高圧洗浄機を使えば容易にこびり付いたシーラントを取ることができるので、もし持っている場合は、それを使ってもいい。

また、高圧洗浄機は狭い面の洗浄も得意とするため、リムの隙間などに張り付いて手で取れにくいシーラントの残りも取り除いてくれる。作業の際は、ホイールをスタンドに固定して行えばより簡単。

おすすめのシーラントの使い方とオススメの一本

シーラントはメーカーごとの性能差はそれほどないが、その中でのおすすめは、フィニッシュラインの「チューブレスタイヤシーラント」。

ケプラーが配合されているため、空気抜けにも強く、メンテナンス性が高く、様々な場所で購入しやすい。さらに、シーラント独自の嫌な臭いがなく入手しやすいのもポイント。

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