お尻が痛くならないサドルの選び方とお尻が痛くなった場合の対応策

Saddle

サドル選びの基準として、痩せている人は厚めのクッションのサドルが良く、太っている人はクッションが固めでベースが広いサドルが向いているといわれているが、骨盤の形状でも左右される。とはいえ、サドルの種類は豊富で何を買ったらいいかわからない人も多い。ここではサドルの選び方目安と、お尻が痛くなった場合の対応策を紹介する。
お尻が痛くならないサドルの選び方とお尻が痛くなった場合の対応策

サドルは同じに見えて千差万別、相性も人それぞれ

サドルは同じに見えても実際に座るとものによって全然違う。一人一人の身長や体重が違うので、サドルとの相性も十人十色である。ある人が快適に使用しているサドルでも、他の人にはお尻が痛くなるサドルなんていうのはよくある話だ。

人それぞれ選ぶ基準はあると思うが、ヒルクライムなどに使用するので超軽量のものを狙っていたり、ロングライドに使用するのでクッション性が高いものを探しているなど、それなりに目的があると選びやすい

基準として、痩せている人は厚めのクッションをもつサドルが良く、太っている人はクッションが固めでベースが広いサドルが適している。また骨盤の形状でも向き不向きがあり、骨盤が広い人は広めのベース、狭い人は細い形状が向いている。

体格によって最適なクッションの硬さが異なる

体格 適したサドルの硬さ
痩せている人  厚めのクッションをもつサドル
太っている人 クッションが固めでベースが広いサドル

骨盤の大きさによって最適なサドルの広さが異なる

骨盤の大きさ 適したサドルの広さ
骨盤が広い人 広めのベース
骨盤が狭い人  狭めのベース

サドルが固いとお尻が痛くなってしまうのでは・・・と考え、柔らかいサドルを選ぼうとする人もいるかもしれないが、サドルは車でいうとエンジンあたる部分。

柔らかすぎては力を逃がしてしまう。もちろん、固すぎるとお尻が痛くなりロングライドなど長時間の乗車に向かない。

超軽量サドルでは総カーボン製のモデルがあり、重量は100g以下と異常なまでに軽い。ヒルクライムや短距離のロードレースならば大きなメリットをもたらしてくれるだろうが、硬すぎるので逆にロングライドには向かない。

ロングライドにカーボン製モデルを使いたいという人はクッション性に長けたサドルカバーをつけたりすれば改善される。

ロードバイクの用途によっても適したサドルの重量が異なる

用途 適したサドルの重量
ヒルクライムや短距離のレース 軽量なサドル(硬い)
ロングライド 普通のサドル(クッション性が高い)

サドルの種類

ロードバイクのサドルは、ライダーと直接接触している数少ないパーツ。実際に使ってみなければ自分に適しているかどうか分からないパーツだが、一度自分に合った物を見つければ、車体やフレームを新しい物にした場合でも、サドルだけはそのまま使い続けることができる。

サドルの価格は数千円の物から数万円の物まであるが、高価な物を選べば間違いないということは決してない。ショップや実際に使っている人から話を聞いたりして、本当に自分に合う物を探そう。

ベーシックタイプ

ベーシックタイプフィジーク アリアンテ ガンマ キウム 14,820円

上面が湾曲しているため、前後移動はしにくいがスイートスポットがあり、ホールド感が高い。クッション性が高めで、ロングライドなどで長時間座り続けるライダーに最適。

フラットタイプ

フィジーク アリオネ キーム 12,950円

横から見たときに上面力湾曲しておらず、フラットなのでクセがなく、合う人が多い。「これはダメ」という人は少ない。また、座面が長く座る位置を前後に動かすことができる。

穴あきタイプ

セライタリア ターボマチック 15,119円

穴あきモデルのなかには接触面積力が小さくなってかえって痛みが出やすいものもあるが、ターボマチックはゲルが入ってソフトなのに弾力性もあり、穴の位置や形状などが適切。

ショップで探す場合のポイント

ショップで探す場合は、現在使用しているサドルから問題点を考えていくとよい。例えば、尿道部分が痛い、坐骨の突起が当たるなどの具体的な問題点に沿って、モデルを絞っていく。

ただし、同じサドルでも角度や前後位置をほんの少し変えるだけで乗り心地が大きく変わるので、まず基準となるサドルでポジション調整を行なったうえで、別のサドルを試してみるといい

お尻が痛くならないサドルの選び方と改善方法

どうしてお尻が痛くなるか

ロードバイクはサドル、ペダル、ハンドルに体重がかかる形状になっている。ロードバイク初心者の場合、足の筋肉がついていないのでペダルに力がかからず、ハンドル位置も高めで体重がペダルにかからない。そうなると必然的にサドルに体重が多くかかってしまい、その圧迫でお尻が痛くなるのだ。

サドルに体重が集中するとおしりが痛くなりやすい

ハンドルやペダルに体重が分散されることでおしりが痛くなりにくい

ロードバイク初心者が訴えるお尻の痛みは、ペダルを踏む力が強くなると解消されるものだ。つまりはロードバイクに慣れることだ。慣れるまでの対策としては軟らかいサドルを使ったり、パッド入りのパンツをはくことで痛みを和らげることはできる。

最初についていたサドルが合わない場合サドルを交換することで痛みを緩和させることも可能

クッション材を多く使ったサドルで痛みを緩和させることができる。しかし、柔らかいだけで弾力に乏しいものもあり、そういうサドルは体重をかけたときに底付きしてしまって痛みが出ることもあるので、ある程度弾力があって比較的硬いサドルがおすすめだ。

ロードバイク初心者の女性に多いお尻の痛みの原因は、一般的なロードバイクは最初に付いているサドルが男性用のことが多いため。女性用サドルというものが存在しており、幅が広めに作られているので、交換することで痛みが軽くなる。

サドルの調整で痛みを緩和する

サドルの角度を少し前下がりにすることで、お尻周辺の骨や肉がサドルに当たる位置が変わって痛みを緩和できる。見た目はよくないが、応急処置的にやってみてもいい。

サドルカバーをつけるという方法も

サドルカバーはサドルを買うより安い。サドルはクッション材の多少だけではなく、形や幅が自分に合っているかどうかなど、選び方が難しいし、価格もある程度高いので、安価なサドルカバーで一時的に痛みの対策をしてみるのもいい。

サドルが痛いと思ったらシートポストの調整で何とかなる場合も

シートポストとは

シートポスト

ロードバイクの座面部分は、サドルと呼ばれる部分と、シートポストと呼ばれる支柱部分との組み合わせで構成されている。ロードバイクも普通の自転車と同じようにシートポストは上下に動かすことができ、シートの高さを調整することができる。

サドルによるお尻の痛みを感じた場合

サドルによるお尻の痛みを感じたのならば、このシートポストを調整することでお尻の痛みを減らすことができる場合も多い。とくに、サドルが低いとハンドルやペダルに体重が分散されず、体重がサドルに集中しがちになり、結果としてお尻への負荷がかかりすぎて痛みを発生させてしまう。

シートポストの長さを決める基準

シートポストの長さを決める基準は、「効率の良いペダリングができること」であって、一般的な自転車のように「足が着くこと」ではない。つまり、乗車に適したサイズと、快適に乗れるサイズは違う。足がつくからといってシートポストを適切でない高さにしてしまってはロードバイクの効率の良いペダリングができなくなるので注意。

サドルの位置を細かく調整する機能も付いている

ロードバイク用のサドルはクッションが薄く、物によってはクッションがないタイプもある。そのためピンポイントでしかフィットしないことが多いため、サドルの位置を細かく位置の調整ができるようになっている。

また、サドル部分が前後にスライドし、シートポストに対する角度も前後に調整できるようにもなっている。この機能を使えば最適なシートポストの長さを調整できる。ただ、いくら調整してもフィットする位置が見つからないという場合は、サドル本体を交換することも考慮しよう。

シートポストにも様々な種類がある

カーボン製シートポスト

シートポストの素材はフレーム素材と同様に、アルミかカーボンが主流。上記の画像はカーボン製のシートポスト。ロードバイク用のシートポストは200~300mm程度の物が標準的な長さだ。

極度にスローピングしたフレームの場合はそれ以上の長さが必要になる場合もある。太さはフレームによって異なるが、一般的に27.2mmが最も多いサイズで、31.6mmが次に多いサイズだ。

形も2タイプあり、サドルを支えるヤグラがポストの延長線上に取り付けられているストレートタイプと、ポストの延長線上よりも後ろに取り付けられているセットバックタイプがある。このヤグラの取り付け位置はシートアングルに影響するので、注意して選ぶ必要がある。

タイプ ヤグラの位置
ストレートタイプ ポストの延長線上に取り付けられている
セットバックタイプ ポストの延長線上よりも後ろに取り付けられている

サドルを変えるのではなく、ロードバイク専用ウェアでカバーする

パッド入りのアンダーショーツは気軽にはけてお尻の痛みを和らげる

お尻の痛みを和らげるため、ジーンズやパンツの下に、下着の代わりにパッド付きの専用ショーツをはくという方法もある。パッドが付いているので少しお尻まわりがモコモコするが、痛みをガマンするよりいい。

パッドが入っているレーシングパンツを使う

自転車用のレーシングパンツは、内側にパッドが縫い付けられていて、お尻の痛みを和らげる構造になっている。本来は下着をはかずに直接はくものだが、抵抗がある人は下着の上から着用しよう。

まとめ

お尻が痛いと感じたら、ロードバイクのサイズが適切かどうかを今一度確認しよう。正しい乗車フォームは、お尻に重心が集中するのではなく、体重がハンドル・ペダル・サドルの3点に分散されることが必要だ。

ある程度の向き不向きは購入する前にはわかるが、サドルは基本的にロードバイクである程度走ってみないとわからないもの。

ロードバイクを取り扱っている店舗によってはサドルの試し座りなどのサービスをやっているところもあるので、購入した自転車屋に聞いてみるとよいだろう。

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