9 recommended wheels for disc brakes
走りを変えたいと考えたときに最も効果的なことが「ホイールの交換」と言われるほどホイールが走行感に及ぼす影響は強い。高価なフレームを用いていてもホイールの性能が悪ければ、フレームの本来の力を発揮させることはできない。
なお、ディスクブレーキモデルを選ぶ前に知っておきたい基礎知識の場合は普通のホイールを用いることはできず、ディスクブレーキ対応のホイールが必要。購入の際はディスクブレーキ対応なのかをしっかりと確認したうえで購入すること。
ディスクブレーキ対応ホイールだけでも様々なものがあるが、ディスクブレーキ対応ということが確認できれば、後の選択基準は普通のホイールを選ぶ際と同じ基準で選んでもいい。
ホイールごとに装着できるタイヤの種類が異なるので注意したい。タイヤの銘柄が多いクリンチャータイヤ、軽量なチューブラータイヤ、そしてパンクのリスクが小さいチューブレス(レディ)タイヤ。
それぞれに特徴があり、向き不向きがあるので、どの種類のタイヤが自分に適しているかを考えて選択するといい。
タイヤの種類 | 内容 |
---|---|
クリンチャータイヤ | チューブの圧力を用いてタイヤをリムと固定する方式。エントリーからミドルグレードレベルのディスクブレーキモデルの多くがこのタイプのホイールを用いている。ホイールの種類は多種多様で高いものから安いものまで予算に応じて選べる。 |
チューブラータイヤ | 接着剤でタイヤとリムを固定する方式のタイヤ。軽く低い空気圧でも走行が可能なため、しなやかな乗り心地。ただし、パンク修理はクリンチャータイヤほど簡単ではなく上級者向き。 |
チューブレス(レディ)タイヤ | クリンチャータイプに構造は似ているが、大きな違いはチューブがないこと。パンクしても空気が抜けにくいだけでなく、走行抵抗も少ないので走りやすい。 |
リムの高さと幅も重要なポイント。これもロードバイクを使用する用途によって最適なものが変わる。ちなみにディスクブレーキ対応ホイールの流行りは40mm前後のバランス型リム高。リム幅は622×17C、もしくは19C辺り。これは現在のロードバイクタイヤの主流である25Cタイヤの流行に伴うもの。この組み合わせはホイールの剛性感が高く、転がり抵抗が小さい。
リムの高さ | 特徴 |
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リム高が30mm以下 | 軽量でヒルクライムなどにおすすめ。 |
リム高が35~50mm程度 | 空力性能と軽さとのバランスに優れているとされる。 |
リム高が50ミリ以上のリム | 高い空力性能をもつ。80ミリ以上をスーパーディープといわれることも。 |
ディスク | カーボンやケプラーの素材で作られた円盤のようなホイール。正面からの空力性能が圧倒的に高いが、横風には不向き。 |
ホイールの性能は、ブレーキやタイヤとの相性で決まる。ただ、ディスクブレーキ対応のホイールは従来のリムブレーキ対応のものと「リムに触れるものがない」「高い制動力に応じた負荷がかかる」など異なる点が多く、リムブレーキ対応のホイールとは違う性能が求められる。以下で様々な値段帯の中で総合的に優秀なホイールを紹介しているので参考に。
マヴィックは高い実績を持つホイールメーカーで、その実績はホイールメーカートップレベルで、他のメーカーの追随を許さないぐらいの高性能なホイールを世に出している。そのマヴィックの主要ホイールである「キシリウム」シリーズは独自素材のジクラル、ニップル間の切削など、マヴィックのお家芸である高いテクノロジーを生み出してきた定番シリーズ。
このプロUSTディスクは名前の通りディスクブレーキ対応のホイールで、内幅19mmと幅広というのが特徴。もう一つの特徴として、チューブレスタイヤのは装着はクリンチャータイヤに比べると難しいが、このホイールは装着が簡単なUSTチューブレスに対応。
このUSTチューブレスは抜群の走行性能を誇っており、走行感の向上に一役買っている。拡張性も高く、前後ともにコンバーターを用いれば15mmスルーアクスル、クイックリリース仕様にすることも可能。
スポーク | ジクラル F24本/R24本 |
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フリーボディ | シマノ・スラム(カンパニョーロ・スラムXDは別売) |
タイヤ | チューブレスレディ |
リム素材 | マクスタル |
リム高 | 22mm |
リム内幅 | 19mm |
ETRTO | 622×19tc |
アクスル | F12mm・R12mm(コンバーター使用で15mm QR対応) |
重量 | 1,650g |
価格 | 140,000円(ペア/税別) |
コスミックエリートUSTディスクはディクスブレーキ対応の良質なホイールにもかかわらず手に入れやすい価格でおなじみのホイール。コスミックシリーズのエントリーモデルながらもマヴィックが培ってきたエアロダイナミスのノウハウが詰め込まれているので、効率的な走りが実現できる。
リム高は30mmと様々な走行シーンに対応できる高さになっていて、全体的に初心者から中級者まで非常に扱いやすい構成のホイールといえる。
さらにフリーボディを交換することで、マヴィックの上級ホイールに採用されているUSTチューブレスにも対応。走行感の向上だけでなく、チューブレスにも関わらず交換が簡単と、いいことずくめのタイヤを装着できるのは大きなメリット。
スポーク | ステンレスF24本 R24本 |
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フリーボディ | シマノ・スラム(カンパニョーロは別売) |
タイヤ | チューブレスレディ |
リム素材 | アルミS6000 |
リム高 | 30mm |
リム内幅 | 17mm |
ETRTO | 622×17tc |
アクスル | F12mm・R12mm(コンバーター使用で15mm QR対応) |
重量 | 1,850g |
価格 | 75,000円(ペア/税別) |
DTスイスはもともと高性能スポークのメーカーだったが、近年はホイールメーカーとしても広く知られるようになってきた。高い回転能力を誇るDTスイスオリジナルのハブを使用するなど、全体的なホイールの構造はシンプルながらも、その走りは良質で、高い評価を誇っている。
このER1400スプライン21はエンデュランス用のホイールだが、重さは前後で1,500gを下回るため、ヒルクライム用として使用しても高い能力を発揮できる。
装着できるタイヤはクリンチャー・チューブレスレディだが、標準でチューブレスタイヤ用のテープも装備。初めてのチューブレスタイヤにも適している。
スポーク | ステンレスF24本・R24本 |
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フリーボディ | シマノ・カンパニョーロ(オプション) |
タイヤ | クリンチャー・チューブレスレディ |
リム素材 | アルミ |
リム高 | 21mm |
リム内幅 | 20mm |
ETRTO | 622×17tc |
アクスル | F15・12.5mm・R12.5mm(付属のエンドキャップにて変換対応) |
重量 | 1,474g |
価格 | 120,000円(税別) |
ノヴァテックは優れたコストパフォーマンスで知られたメーカー。このCXDは軽量なホイールながらも価格が75,000円(前ホイール)と非常に手頃。クリンチャー対応のホイールの1,470gは同重量帯では圧倒的な安さ。さらにリムの重量は420gとアルミリムとしては軽量な部類。
これだけ軽量であればヒルクライムにも用いても必要十分。対応タイヤはクリンチャーの他にもチューブレスレディにも対応。どちらでも使えるので、自分の走行する場面に適したタイヤを選べるのも魅力。
重量の分野だけでなくその他の部分でも高い性能を持ち合わせているこのCXD。安価で良質なホイールにアップグレードしたいと考えている人には、このホイールと高性能タイヤの組み合わせを一つの選択肢として押さえておくのをお勧めしたい。
スポーク | ステンレスダブルバテッドF20本・R24本 |
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フリーボディ | シマノ・カンパニョーロ(別売) |
タイヤ | クリンチャー・チューブラー |
リム素材 | アルミ |
リム高 | 24mm |
リム内幅 | クリンチャー24mm・チューブラー23.5mm |
ETRTO | クリンチャー622×17tc・チューブラー632×24tc |
アクスル | F12mm・R12mm |
重量 | 1,470g(クリンチャー)・1,510g(チューブラー) |
価格 | 各75,000円(税別) |
シマノのデュラエースはシマノコンポーネントの最上位ランクのコンポーネント。そのデュラエース(R9100)のホイールの中で、ディスクブレーキ対応のホイールがこのWH-R9170-C40-TL。
リムの素材はカーボンを用い、高い加工精度が求められるチューブレス仕様を実現。快適性、空力、軽量性など高性能ホイールに求められるスペックをすべて高いレベルで達成している。
リム高は37mmで、風の強いシーンでも安定して高速域走行が可能。使用想定シーンとしてはプロのレースで使っても遜色ない高レベルのホイール。
スポーク | ステンレスF24本・R24本 |
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フリーボディ | シマノ |
タイヤ | チューブレス |
リム素材 | カーボン |
リム高 | 37mm |
リム内幅 | 24mm |
ETRTO | 622×17c |
アクスル | F12mm・R12mm |
重量 | 1,586g |
価格 | 248,713円(税別) |
カンパニョーロのゾンダといえば、高い性能と手に入れやすい価格帯が見事にマッチしたホイールで、ホイールのアップグレードといえばまずはゾンダを検討するぐらいの超定番ホイール。そのゾンダもディスクブレーキの流れに合わせる形で登場。その名も"カンパニョーロ ゾンダ ディスクブレーキ"。
カンパニョーロホイールの最高級モデルである「ボーラ」でも採用されているG3スポーキングを前後ともに採用し、剛性と乗り心地を高めるだけでなくスタイリッシュさもプラス。
スポークの数は21本と、ディスクブレーキ用ホイールとしては少なめの本数のため、風が強い日でも空気による走行抵抗を軽減している。
スポーク | ステンレスF21本・R21本 |
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フリーボディ | カンパニョーロ・シマノ |
タイヤ | クリンチャー |
リム素材 | アルミ |
リム高 | 26mm |
リム内幅 | 17mm |
ETRTO | 622×17tc |
アクスル | F12mm QR・R12mm QR |
重量 | 1,675g |
価格 | 79,000円~84,500円(税別) |
ここで紹介しているホイールの中でもダントツの価格を誇るこのホイールは、ディスクブレーキ用ホイールでも超トップレベルのホイールでもある。その重量は圧倒的で、チューブラー仕様の重量は前後併せて1,235g。基本的にはディスクブレーキ対応のホイールはリムブレーキのものよりも重いが、このホイールだけは別次元の軽量性を誇る。
リム素材はカーボンを用いており、カーボンの特性である優れた引張剛性により、加速・減速時の反応性はステンレスよりも高く、その重量だけでなく走りの反応もほかのホイールとは別格。この軽さはヒルクライム時に大活躍するだろう。
前後合わせて60万円と非常に高価なホイールなので万が一の破損が怖いが、そこの点は安心でレース使用も可能な補償制度がオプションながらも用意されているので、レースでガンガン使える。一秒でも早く走りたい人にお勧めしたい。
スポーク | カーボンF20本・R20本 |
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フリーボディ | シマノ・カンパニョーロ |
タイヤ | クリンチャー・チューブラー |
リム素材 | カーボン |
リム高 | 47.5mm |
リム内幅 | 20mm |
アクスル | FR12,15mm |
重量 | 1,370g(クリンチャー)1,235g(チューブラー) |
価格 | 660,000円(クリンチャー/税別)570,000円(チューブラー/税別) |
ヴィジョンは1995年創業のサイクリングアイテムメーカー。ホイールはメトロンとトライマックスの2つのシリーズを中心にラインナップ。近年はCFD解析と風洞実験などホイール開発に力を入れており、立て続けに良質なホイールを市場に提供することでトップホイールメーカーの仲間入りを果たしている。
このメトロン 40 SL ディスクは20万円台前半の価格ながらも1,420gと抜群の軽さを誇り、高いコストパフォーマンスを実現している。
タイプとしてはオールラウンドタイプで、軽量さを生かしてヒルクライムにも適していたり、40mmのリムの高さは強い風の中でも安定した走りが実現できたりと活躍の場は広い。
スポーク | ステンレスF21本/R24本 |
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フリーボディ | シマノ・カンパニョーロ |
タイヤ | チューブラー・クリンチャー |
リム素材 | 力―ボン |
リム高 | 40mm |
リム内幅 | 17mm(クリンチャー) |
ETRTO | 622×17C |
アクスル | F QR,12,15mm/R QR QR10,12×12,15mm |
重量 | 1,420g(チューブラー)、1,580g(クリンチャー) |
価格 | 220,000円(チューブラー/税別)・238,000円(クリンチャー/税別) |
フルクラム社のホイールは自転車をこよなく愛する若い航空宇宙工学エンジニアたちの革新的なアイデアから誕生。ホイールに着手した当初より外周の質量をリムの継目と釣り合わせる特別なリム設計を用いて、スムーズで歪みのない回転を実現している。そしてこの「レーシング 5 DB」はフルクラムのエントリー向けディスクブレーキ対応ホイール。
このホイールは中級者がレースに使用するレベルのホイールかといえばそうではないが、価格の安さとホイールの質を加味すると練習時やバックアップ用として使える。様々な状況で使えるようにリムはクリンチャータイヤとチューブレスタイヤの両方に対応する2WAY-FITが採用されている。全体的に癖のない作りになっていて、ハンドリングは素直で扱いやすく、初心者でも使いやすいホイールとなっている。
スポーク | ステンレスF24本/R24本 |
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フリーボディ | シマノ、カンパニョーロ |
タイヤ | 2-WAY FIT Ready(クリンチャー・チューブレスレディ) |
リム素材 | アルミ |
リム高 | 26mm |
リム内幅 | 17mm |
ETRTO | 622×17c |
アクスル | F12 15mm R12mm |
重量 | 1,610g |
価格 | 46,800円(税別) |
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